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「エジプトでは、そのことに怒っている人が多い印象」

――23年12月現在、エジプトの隣国イスラエルは、パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を激化させています。今の状況をどう思いますか。

 長い中東の歴史の中で、周辺国で戦争や内紛が起こる度、エジプトは地理的な近さから影響を受けてきました。国籍をふたつ持つことができ、難民の受け入れにも寛容なエジプトは、地理的な近さもあり、非常事態時にはいろんな国の人がやってきます。

 一方、エジプトは日本とは違って2、30代の若い層が人口の多くを占めるのですが、労働人口が多いにもかかわらず仕事と住む場所が足りない現状もあります。

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 今回の戦いも、戦いの当事者ではないし、そもそも、自分たちが生まれる前から続く抗争に巻き込まれてしまっている。エジプトでは、そのことに怒っている人が多い印象です。

©︎細田忠/文藝春秋

 エジプト国内は安全で、私の家族も無事に暮らしていますが、ただひたすら平和な日常が戻ってほしいと皆願っているし、中東がこんな状況だからこそ、日本の平和は本当に尊いものだと感じます。

――仕事といえば、エジプトでは女性の社会進出がむずかしいと聞いたことがあります。かつては差別やセクハラが問題になっていましたが、恵さん自身、生きづらさを感じたことは?

 私はなかったですね。学校にも通えましたし、就職もしました。特に、14年からシーシ大統領になってからはセクハラの厳罰化が進んで、今はセクハラをするとものすごい罰金が課されるようになりました。

 エジプトだけでなく、今、中東の国では女性への教育に力を入れているように思いますし、日本よりよっぽど、マネージャー職に就いている女性は多いのではないでしょうか。エジプトの女性は強いですよ。だまされたら大変だから、皆、しっかり勉強してます。