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帰国2か月前に逆プロポーズ

――話は変わって、恵さんが国際結婚をするに至った経緯についてお聞きしたいのですが、今のパートナーである日本人男性と出会ったきっかけは。

 私は大学進学を機にハルガダからカイロに出ていたのですが、大学を卒業して就職したばかりの2011年に、今の夫とはじめて会いました。その年は1月からアラブの春(中東で2011年頃からはじまった大規模反政府運動)がはじまったタイミングで、ちょうどコロナの時のように、「家から出ないでください」という非常事態宣言が出ている状況だったんです。

©︎細田忠/文藝春秋

 そんな時、たまたま外出することがあって電車に乗っていたら、日本のグッズをたくさん身に着けている女の子がいました。すごい目立ってたし、私も日本文化に興味があったから思い切って話しかけたんですね。そうしたら、「日本は東北の大震災で大変なことになっているから、今から日本大使館に行って、歌をプレゼントして応援しようと思っている」というのです。

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――エジプトでアラブの春が起きた直後、日本では東日本大震災が起きたというタイミングだったんですね。

 その後、その子から日本語の教科書を見せてもらって、「難しそうだけど、これはいけそうだ」と思って日本語学校に通い出した矢先に、学校の先生から日本人との交流会のおしらせがきました。

 ただ、先ほどもお話ししたように、アラブの春の影響で外出が制限されていたことで、結局、「危ないから今回は日本人だけでやるね」と連絡がきたのです。にもかかわらず、当時の私は日本語がわからなすぎて、「日本人は時間に正確だから、『遅れずに来てね』」というメッセージだろうと、正反対に解釈したんです(笑)。でも、その勘違いのおかげで夫と会えたんです。

©︎細田忠/文藝春秋

――その後、どのように交際が発展したのでしょうか。

 その後、毎年同じイベントで顔を合わせていましたが、日本語の問題もあってほとんど話もしなくて。そうしてやっと私の日本語が上達して話ができるようになった5年後に、彼があと2ヶ月で帰国するとわかったんです。それで、私からプロポーズしました。

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