スマホでゲームをしたり動画を見ていると、手が汗ばむほどスマホが熱くなる場合があります。また、充電器にかけてあるスマホを手に取ると、カイロのように熱くなっていることも。「これ大丈夫かな?」と心配しつつ使っているものの、普段はその理由を深く考えることはあまりないかもしれません。

「スマホは使ったり充電すると熱くなるモノ」とスルーしがちな「その原因」とは、一体何なのでしょうか。また、スマホが熱くなったとき、やってはいけない対処法とは――。

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充電時にスマホが熱くなるワケ

 まず、充電時にスマホが熱を持つのはなぜなのか。

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 スマホの充電は、自転車のタイヤに空気を入れるような作業と言えます。スマホの電池が空になった状態は、ちょうどタイヤの空気が抜けて、ペチャンコになった状態と同じなのです。

 スマホはUSB充電器を差し込むと充電がはじまりますが、タイヤは空気入れで空気を押し込んでいきます。するとどうでしょう? 自転車のタイヤが膨らむとともに空気入れが熱くなっていき、さらに空気を入れ続けると今度はタイヤのほうも温かくなってきます。

 タイヤに空気を入れるときはかなりの力が必要ですが、これは空気をチャージするときに「抵抗」があるからです。それに逆らって空気を押し込むため、空気入れが熱くなるのです。また、パンパンになるまで空気を入れるとタイヤ側が熱くなりますが、これはタイヤがこれ以上空気を入れないように抵抗しているのです。

スマホの中身はこんな感じ。どこが熱くなるのだろう? 問題はないの?(著者撮影)

 これと同じように、スマホを充電するとまず「充電器」が熱を持ちます。そしてしばらくすると、今度はスマホの電池と充電回路も熱を持つのです。

GPS機能には猛烈な計算が必要

 一方で、動画を見たり、ゲームをしている最中にもスマホは熱くなります。これは結論から言うと、「スマホに複雑な処理を長時間させていると熱く」なるのです。

 たとえば、スマホの電卓機能でちょっと計算したり、スケジュールを入力したりという程度ではほとんど発熱しません。でも、画像がたくさん貼ってある記事などを読み続けると、スマホはほんのり温かくなります。さらには動画を見続けたり、ゲームをするとかなり熱くなっていくのを感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

 意外なところでは、GPS機能も猛烈な計算を必要としています。宇宙に浮かぶGPS衛星をいくつか捉えて、電波(光)の速度(秒速およそ30万km)の到達遅延時間から現在位置を割り出すのですが、10mの範囲で位置を割り出そうとすると0.000000033……秒単位の計算が必要になるのです。