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「日本の映画ファンが鑑賞できるのは適切」――『オッペンハイマー』日本公開決定後の会見でクリストファー・ノーラン監督らが語ったこと

2023/12/30

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, 映画

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 野心的な作品ではありますが、あまり予算を使えないこともわかっていました。それで、撮影は57日間で終わらせなければなりませんでした。でも、優秀なクルーとキャストのおかげで、速いペースで進めることができました。キャストは撮影の合間も自分のトレーラーに引き籠もることなく、私たちの準備ができたらすぐ動けるように、現場で座って待っていてくれたんですよ。

オッペンハイマー役に抵抗はなかった

――キリアンへの質問です。オッペンハイマーを演じることに抵抗はありましたか?

キリアン・マーフィ(主演) いいえ、ありませんでした。脚本を読む前にイエスと答えたほど。クリスが声をかけてくれる時はいつもそうです。これは、人類の歴史における重要な物語。こんな役をやらせてもらえる機会は滅多にありません。それをクリスのような優れた映画監督と一緒にやれるのですから、迷う余地なんてないです。僕はただちに役作りに飛び込んでいきました。

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――エミリー、あなたはオッペンハイマーの妻キティを演じました。出会った時、キティは3度目の夫と結婚していました。不倫の末、子供を身籠って、夫と離婚し、オッペンハイマーと結婚しますが、産後は子育て放棄状態になります。そして彼女は、夫が以前からの愛人であるジーン(フローレンス・ピュー)にまだ思いを持っていたと知ることになります。キティについてどのようなことを学びましたか?

エミリー・ブラント(共演) 無愛想できついことを言いますし、アルコール依存症でもありますが、内側には良い部分も抱えていた女性だと思います。正直なことを言ってくれる彼女は、オッペンハイマーに必要な存在だったのです。彼らはいろんなことを乗り越えましたが、そこには愛があったと私は信じます。ほかの人たちがキティのことをどう思っていたのかを読むのは、非常に興味深かったです。彼女はいろいろな人に嫌な思いをさせたようですね。

――ロバート、ストロースはオッペンハイマーと非常に複雑な関係にあります。彼のことをどう思いますか?