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家出をした姪が部屋に転がり込んできた…渋谷区公共トイレ清掃員の“揺れ動く感情” 「PERFECT DAYS」を採点!

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〈あらすじ〉

 東京の下町にある木造の古いアパートに、トイレ清掃員の平山(役所広司)が一人で暮らしている。毎朝同じ時間に起き、カセットテープで音楽を聞きながら車を走らせ、渋谷区の公共トイレを丁寧に掃除する。仕事を終えたら自転車で銭湯に行き、行きつけの店で慎ましい夕食を取り、読書をして眠りにつく。趣味は、木々や木漏れ日をフィルムカメラで撮ることだ。毎日同じことの繰り返しに見えるが、平山は毎日を新鮮に生きていた。そんなある日、家出をした姪が部屋に転がり込んでくる。

〈解説〉

『パリ、テキサス』や『ベルリン・天使の詩』などで知られるヴィム・ヴェンダース監督作。東京を舞台に、淡々とした日常の中で揺れ動く感情を描く。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞とエキュメニカル審査員賞を受賞した。124分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★★さすが、ヴィム・ヴェンダース監督。東京の景観、そこに生きる人びとの思い、生と死。役所広司の演技、見直しました。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆揺れながらノーマルな呼吸を続ける役所広司が巧いし、ロケ撮影の断面も新鮮だが、この監督特有の作為が匂う。惜しい。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★★流れる楽曲、光の演出、全てが川面に映る草木のように美しく微妙に煌めく。ルーティンを熟す平山の姿はまるで詩人。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆強い企画の枠組みの中で、監督の個性が瑞々しく出ている事に驚く。ミニマリストの生活の美を提示する今っぽさも全開。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆カセットテープの音楽と至福の運転場面。都市と自然の共存、ロードと反復。実存の重厚さ突き刺さる、まさに原点回帰。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© 2023 MASTER MIND Ltd.

INFORMATION

PERFECT DAYS(MASTER MIND)
12月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
https://www.perfectdays-movie.jp/

家出をした姪が部屋に転がり込んできた…渋谷区公共トイレ清掃員の“揺れ動く感情” 「PERFECT DAYS」を採点!

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