〈あらすじ〉
1885年のフランス。料理人ウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)が美食家ドダン(ブノワ・マジメル)に仕えて20年。2人は森の中のシャトーで共に暮らし、愛し合っているが、プロ意識が高く自立と自由を尊ぶウージェニーは、ドダンの求婚を断り続けていた。
ある日、体調不良で倒れたウージェニーに、ドダンは愛を込めて作った料理を婚約指輪を添えてふるまい、最後のプロポーズをする。晴れて夫婦になった2人は、ユーラシア皇太子に献上する究極のポトフ作りに取り掛かる。
〈解説〉
料理人と美食家の愛と、料理への情熱を描く物語。『エタニティ 永遠の花たちへ』に続くトラン・アン・ユンの脚本・監督作。料理監修はミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが務めた。第76回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞。136分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆料理ばかりではなく食器や調度も見もの。長年、苦手にして来たJ・ビノシュ、初めて好感。19世紀末という設定もいい。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆後退移動撮影の頻出が気になったが、単調な加算に走らずに細部の適量を見抜く眼は的確。もう少し享楽の匂いが欲しい。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆素材の旨味を自在に変化させる濃厚なソース同様の愛情物語。これほど感性を共有してしまうと別れは半身を失う辛さか。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆まさしく美食攻め。この監督の映像的なこだわりを「欲」に全振りした企画力は凄いが、胃もたれや胸焼けの気配も……。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆トラン・アン・ユン監督のガストロノミー。台詞、料理、音、美術、背景全て超古典で耽美。ズアオホオジロの料理に♡。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
ポトフ 美食家と料理人(仏)
12月15日(金)よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
https://gaga.ne.jp/pot-au-feu/