〈あらすじ〉

 ヘルシンキのスーパーマーケットで働くアンサ(アルマ・ポウスティ)は、理不尽な理由で仕事を失う。工事現場で働くホラッパ(ユッシ・ヴァタネン)は、仕事中に飲むほど酒浸りだ。

 ある夜、2人はカラオケバーで出会って惹かれ合うも、ホラッパの飲酒癖や偶然の不運が、2人をささやかな幸せから遠ざける。やがてアンサは工事現場の仕事を見つけ、保護した野良犬と暮らし始める。一方のホラッパは、ある決意を固めていた。

〈解説〉

『希望のかなた』を最後に映画監督からの引退を宣言していた、アキ・カウリスマキの6年ぶりの脚本・監督作。社会の片隅に生きる労働者たちのラブストーリー。第76回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞。81分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★★カウリスマキ監督映画にハズレ無し。感情表現のつつましさ、ウッスラと漂うおかしみ。音楽の入れ方も絶妙。後味よし。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★★寡黙な繊細さとオフビートな外しは健在だが、ハートを信頼した語りも堅牢だ。世知辛さに屈したくない人の必須栄養素。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆カウリスマキ監督が好きなら見逃せない、空間の醸し出す味わいは絶品。気になる誰かに告白せずにいられなくなるかも。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★久々に会った友人の変わらぬ笑顔を目にしたような感動。焦臭くなる世界の中で、小さな愛を描き続ける監督の純正な結晶。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★しれっと帰ってきたカウリスマキのパンチ喰らう。問わず語りの女の眼。ラジオの戦況。酒断ち愛に生きる男。犬と音楽◎。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©Sputnik Photo: Malla Hukkanen

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