文春オンライン
共演者は「やらされるのが自分でなくて良かった」崖からバイクで飛び降りる、飛行機の操縦も…スタントを自分でこなすトム・クルーズ(61)の“徹底したこだわり”

共演者は「やらされるのが自分でなくて良かった」崖からバイクで飛び降りる、飛行機の操縦も…スタントを自分でこなすトム・クルーズ(61)の“徹底したこだわり”

2023/07/21
note

 トム・クルーズが、揺るがぬ人気をまたもや証明した。

 先週、日本に先駆けて公開された「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」は、北米で8,000万ドル、全世界で2億3,500万ドルと、いずれもシリーズ最高のデビュー記録を達成。作品への評価も高く、Rottentomatoes.comによれば、96%の批評家が褒めている。これは昨年爆発的にヒットした「トップガン マーヴェリック」と同じだ。観客評価も「A」で、今後もクチコミでますます数字を伸ばしていくことが期待される。

トム・クルーズ ©共同通信

王道の娯楽映画スターとしての自覚

 スターと呼ばれる人が数多くいるハリウッドでも、クルーズほどの本物は、ほかにいない。1986年の「トップガン」で世界的に有名になって以来、実に40年近くも大作映画で主演を務めては、そのほとんどをヒットさせてきているのだ。だが、彼はただアクションができるイケメンではない。過去にはポール・トーマス・アンダーソンやキャメロン・クロウ、オリバー・ストーン、マイケル・マン、スタンリー・キューブリックなどとも組み、オスカーにも3度ノミネートされた。かと思えば、脇役で出演した「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」「ロック・オブ・エイジズ」では予想外のコメディのセンスを見せて、驚かせてくれてもいる。

ADVERTISEMENT

 しかし、歳を取り始める中で、彼はますます王道の娯楽映画スターとしての自覚を高めてきたように見える。ここ11年は、おもしろそうな役だからと他人が主役の映画に助演で出演したり、小粒でシリアスな映画に主演したりするようなことはせず、「アウトロー」「オブリビオン」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「バリー・シール/アメリカをはめた男」など、娯楽アクション映画の主演に徹してきているのだ。

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2015)

 それらのアクションを、現在61歳のクルーズは自分でこなす。しかも、そのレベルがますますアップしていくばかりなのは、「ミッション~」シリーズを見てきたならご存知だろう。最新作にも、バイクに乗った彼が崖から飛び降りる、すごいスタントがある。パラマウント・ピクチャーズがYouTubeに上げた撮影の舞台裏映像を見ると、あれをこなすのがいかに難しく、周到な準備が必要なのかがよくわかる。「ミッション~」で共演してきたサイモン・ペッグは、クルーズがスタントをこなすのを見るたびに、「あれをやらされるのが自分でなくて良かったと思う」と語っている。

関連記事