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立ち食いそばの空白地帯・鶴見に待望の新店が…寿司屋の大将が生み出した“関西つゆ”は格別の味だった

立ち食いそばの空白地帯・鶴見に待望の新店が…寿司屋の大将が生み出した“関西つゆ”は格別の味だった

2024/03/26

genre : ライフ, グルメ,

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 そばは冷凍麺だろう、細めの生麺タイプでコシもあってなかなかよい。そして、春菊天はサクッと揚がっていて油切れもよい。かじると春菊の香りが口中に広がる。「うめおにぎり」もしっとり握られていて食べやすい。料理は家で作るくらいという加賀谷店主の腕前はなかなかである。

このつゆの色に注目
揚げ具合が絶妙な春菊天
「うめおにぎり」もしっとり握られていて食べやすい

鶴見系関東つゆって面白い

 あっという間に食べてしまったので、「なす天そば関東つゆ」(480円)と寿司屋の大将が作ってくれた「いなり寿司」(100円)を追加注文してみた。こちらも2~3分で登場した。関東つゆをまずひとくち。確かに関西より返しの主張があるのだが、それでも都下城東地区の「染まり系つゆ」に比べればはるかに透き通ったつゆである。

 寿司屋の大将は鶴見のそばつゆが「鶴見系」とか「鶴見うす色系」といわれていたことは認識していたらしい。つまり「春夏秋冬」の関東つゆは、あくまでも「鶴見系の中の関東」という位置づけで、十分関西系のつゆなのである。これは面白いチョイスだ。「なす天」もしっかり揚がっていてうまいし、大将の「いなり」は味が沁み沁みでたまらない。

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関東風つゆでも鶴見系
確かに関西風よりは濃い色のつゆだ

「間借りだけど、鶴見の人の温かい心を感じられて…」

 加賀谷店主は帰り際こんな話をしてくれた。「大胆にも浜ッ子寿司の間借りでそば屋を始めてしまったけれど、寿司屋のそばの味が忘れられないという常連さん、そして鶴見の立ち食いそば屋を復活してくれて嬉しいという鶴見っ子が来店してくれて、なんだか鶴見の人の温かい心を感じられてすごく嬉しい。がんばって続けていきたい」という。

 再訪を約束して店を後にした。帰りの京浜東北線の中で、寿司屋の大将の心意気や常連さんたちのエール、鶴見っ子の心意気が「春夏秋冬」をオープンさせたのだろうと考えていた。良い訪問だった。次は「かき揚げ天そば関西つゆ」に決まりである。

「鶴見の人は温かい」という加賀谷店主
次はかき揚げ天そば関西つゆで決まり
INFORMATIONアイコン

「春夏秋冬」
住所   神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央1-8-17
営業時間 月~金 6:00~14:00
     第1・3・5土 10:00~14:00
定休日  第2・4土、日祝
(支払いは現金のみ)
https://www.instagram.com/hamakko_soba/
従業員アルバイト募集中だそうです。

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