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一志 治夫
2018/04/13

江戸前鮨の名匠が警鐘を鳴らす「本当は危険な海外の鮨」

「Sushi」はヘルシーな日本食として海外でも大人気。世界中の都市で鮨屋が次々とオープンして人気を博しているが、もちろん、そのすべての店で日本人の鮨職人が握っているわけではない。2016年9月、ハワイで「すし匠ワイキキ」を開店した「江戸前鮨」の名匠・中澤圭二氏が、「世界で広がる鮨の危うさ」について警鐘を鳴らす。

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「Sushi」が社会問題になっている

 海外での日本食レストランの増殖がとまらない。世界的な健康ブームの流れのなかで、2006年に2.4万軒だったものが2017年には11.8万軒にまで急増。この日本食レストランのなかには、当然、「もどき」も数多く含まれるのだが、この11万余軒の日本食レストランでは、当然、メニューの一品として「Sushi」が提供されるケースも多い。

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 国によって異なるが、「日本食レストラン」のうち、鮨のみに特化した専門店は、数%~20%ほどと推測される。そんななか、近年「鮨の危険性」が海外でクローズアップされはじめている。

 昨年5月に、イギリスの「ザ・ガーディアン」紙が「No! Sushi-the parasitic nightmare in your lunchbox」という記事を発信。日本食レストランで鮨を食べた32歳の男性がアニサキスによって、嘔吐、発熱、過敏症で1週間苦しめられたというポルトガルでの事例を報道した。また、2015年には、米疾病対策センター(CDC)が、全米11州で、鮨用の冷凍マグロが原因と見られるサルモネラ感染が62人確認されたと発表し、社会問題にもなっている。

 これらはおそらく表面に出たほんの一例にすぎない。海外の鮨職人は、手洗いがいい加減だったり、まな板をふきんで拭くだけで生モノとのりを混在させて鮨をつくっていたり、素手で生魚を扱ううえでの衛生管理が行き届いていない場合もある。扱うのが職人ですらなく、修業経験が何もないただのアルバイトがつくっている場合もある。

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