「週刊文春」誌上で展開した「中国猛毒食品」キャンペーンは、読者から大きな反響を呼びました。取材班の一人だった徳山大樹記者が近著『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』(奥野修司氏との共著、講談社文庫)で書ききれなかった「潜入取材」の内実を、衝撃的な写真とともに明かします。前回の「週刊文春記者が見た! 危険すぎる中国産食品#1 漬物編」に続く第2弾は「海産物製品」です。
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ニセモノや劣悪商品が当たり前に並んでいる
「週刊文春」で特集した「中国猛毒食品シリーズ」では、取材班のメンバーが中国全土へ足を運んだ。中でも、中国・山東省は「日本の食料庫」と呼ばれるほど、私たちの食卓と縁が深い。「山東省統計年鑑」によれば、2014年の山東省の輸出額はおよそ1450億ドル。そのうち、約160億ドルが日本向けだ。
山東省の現地取材で、水産加工物の生産地・文登市(現文登区)に来ていた私は取材予定だった市場周辺の飲食街を、通訳を担当してくれた日本人ジャーナリスト・林真宣氏と訪れた。そこで「九州拉麺」と書かれた店の看板を見つけ、目が釘付けになってしまった。
よく見ると、看板に描かれた絵は、有名な日本のアニメキャラにそっくりなのだ。
どう見ても、「一休み」の姿勢をとった室町時代のとんち坊主だ。彼の頭に、髪を描き足してコック帽を被せ、ラーメン丼を持たせている。中国には、こうした悪質なニセモノや劣悪な商品が当たり前のように並んでおり、驚きの連続だった。
「日本の食料庫」山東省の市場に度肝を抜かれた
翌朝、市場を見学した。果物や肉類なども数多く並んでいたが、「山東省最大の魚の生産基地」と呼ばれる港町・石島管理区から運ばれてくる豊富な魚介類がウリだという。
肉類の売り場を見ていくと、主に豚肉や鶏肉が置かれており、大量のハエがたかっている。どす黒く変色した木の板の上に生レバーを置いている肉屋もあって、度肝を抜かれた。
ゴミと思われるチラシの上に並ぶ豚足は売り物なのか、もはやよくわからない。
海産物売り場へ足を向けると、ステンレスやプラスチック製のバットに氷は一切敷かれず、常温で商品が並べられていた。そのため、魚の腐ったような異臭が漂っていた。新鮮なイカは鮮度に応じて無色透明から白、ピンクへと順番に色が変化してゆくという。写真のイカは鮮度が落ちて傷み始めていた。新鮮な魚介類が集まるとされる市場でもこの有様だ。
石島の食品加工場へ潜入してみると、さらに衝撃的な光景を目の当たりにした。