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行き過ぎた「心配性」にご注意を “強迫性障害”との向き合い方とは?

日常生活に支障が出るレベルなら治療が必要です

2018/05/26

不安で引きこもりになってしまうケースも

丹羽亮平医師

「こうなると、日常生活に支障がないとは言えませんね。当人が困っていないなら別ですが、困っているなら“強迫性障害”と診断されて、心療内科での治療対象になります」

 と語るのは、名古屋市西区にある「名駅さこうメンタルクリニック」院長で精神科医の丹羽亮平医師。

 日本人は、何事もきちんとすることを美徳とし、物事に対するこだわりも強い――という民族性がある。それがいい方向に働くと「職人気質」となり、文化や芸術の構築に寄与することもある。

 しかし、逆に作用するとTさんのように自分の行動を雁字搦めに縛り付け、仕事や日常生活が大きな制限を受けることになる。これが強迫性障害だ。

「その不安が自分にとってよくないことや、不安に思う必要がないということを当人もわかっているのに、自分ではその不安を打ち消すことができない。中には、自分で作った不安で身動きが取れなくなって、引きこもりになってしまうケースもある」

 丹羽医師によると、強迫性障害の人の脳では、セロトニンという神経伝達物質が減少している可能性が指摘されている。セロトニン減少は、うつ病の人の脳でも見られる。事実、強迫性障害とうつ病を併発する人も少なくない。

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強迫性障害、治療法は?

 治療法としては、カウンセリングを柱とした認知行動療法というアプローチが有効だ。

「強迫性障害の人は、考え方や行動に“癖”があるので、その癖に気付くこと。気付いたら癖から抜け出し、合理的な考えや行動をとる方向に修正していく治療です。状況に応じてセロトニンを増やす薬や、発達障害の治療薬などを使うこともあります。人によって時間はかかることもあるが、相手は“機械”ではなく“心”なので、急ぐのは禁物。時間をかけて心に社会性を持たせていくことが重要です」

 治療が奏功し、ある程度よくなってきたら、適度な運動が効果的だ。軽いジョギングなどの有酸素運動は、セロトニンを増やす作用を持っている。

「ただ、強迫性障害になる人は、“これがいい”と言われると、そればかりに打ち込む傾向がある。軽いジョギングでいいのに、いきなりフルマラソンを目指すような極端な行動に出てしまい、思うように走れないと、そこで新しい不安に支配されることもある。いわゆる“いい加減”という考え方を持つことが苦手なのです」

自分の利点を認めることから始めましょう

 丹羽医師によると、このタイプの人は約束を確実に守るし法令順守精神も高い。そもそも用心深いので、忘れ物をすることも少ない。火の不始末や戸締りの不備などのリスクは、普通の人に比べて低いという。

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 自分がそんな利点を持っていることを、まずは認めることから始めましょう。

 そして、毎朝10分でも20分でも時間を作って、家を出る前に納得するまで何度でも火の始末と戸締りを確認することを日課にしましょう。悪いことじゃないんだから。

 いつか、消防と警察から表彰されるかもしれませんよ。