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2019/02/15

初の一軍登板を目指して

 プロ3年間で一軍登板はナシ。3年目の昨年は右肩鏡視下手術、および右肘神経移行術を受け、1年を棒に振った。昨年の春季キャンプで原に与えられた練習場は陸上競技場メインスタンドの階段。60段ほどある階段を1日50往復。ひたすら昇り、降りた。仲間たちがボールを投げ、汗を流している中で黙々と耐えた。

「メチャクチャ辛かった。プロ野球選手なのに階段の昇り降りしか練習をすることが出来ない自分が惨めだった。悲しかった。その想いは言葉にできない」

 苦しいリハビリの日々の支えは中学生の時に聞いた大先輩の言葉だった。「とことん打ち込んで努力をするしかない」。メッセージを思い返し、歯を食いしばり弱気になりそうな自分を奮い立たせる毎日を続けた。

 懸命なリハビリの甲斐があり昨年の11月に投球練習を再開。石垣島で行われている2月の春季キャンプでは2月2日にブルペンで30球。7日にも捕手を座らせて30球を投げ込んだ。まだ間隔を空けて投げる状況ではあるが昨年は階段の昇り降りしか出来なかったことを考えると夢のような進歩だ。

「稀勢の里関も大きな怪我を抱えながらも頑張っておられた。自分も怪我に負けない選手になりたい。手術から必ず復帰して、同じような境遇で苦しんでいる人の希望になりたい。幸い、今は肩も肘も調子がいい。今年、必ず一軍で投げます」

 打ち込んで、努力をしていけば道はおのずと開ける。多感な中学校時代に聞いた大先輩の言葉があったからここまでたどり着くことができた。そしてこれからは飛躍のための挑戦が始まる。いつか稀勢の里のような人に感動を与えられる存在になりたい。プロ入りからここまで苦しい日々を味わってきた男だからこそ伝えることが出来る感動がある。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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