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北方領土問題は「領土問題じゃない」?

安倍晋三 首相
「領土問題じゃないんだ。経済も政治も秩序が大事。ロシアとの関係改善で世界のバランスがとれる」
『週刊文春』2月18日号

 北方領土問題について、立憲民主党会派の江田憲司衆院議員は、安倍首相が過去に25回行った日ロ首脳会談のうち、安倍首相がロシアを訪れた回数が圧倒的に多いと指摘。「朝貢外交だ」「首脳外交は相互訪問が原則だが、首相はお百度を踏むようだ。交渉のテーブルに着く前に負けだ」と非難した。これに対して安倍首相は「非難を浴びてでも解決しなければならない」と強調した(時事ドットコムニュース 2月20日)。

 ロシアとの平和条約締結に向けて「加速」しているはずが、その後音沙汰がない。一方、日本にメリットのないロシアの液化天然ガス事業に、日本政府が1500億円から2000億円の出資を求められているという(日刊ゲンダイDIGITAL 2月22日)。安倍首相はプーチン大統領との蜜月関係を強調しながら「領土問題じゃないんだ」と言ったそうだが、土地もカネも差し出すばかりで何を「解決」するつもりなのだろう?

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北朝鮮問題についてトランプ米大統領を「バックアップしたい」

安倍晋三 首相
「次は私自身が(北朝鮮の)金正恩(朝鮮労働党)委員長と向き合わなければならない」
ロイター 2月19日

 19日の政府与党連絡会議で、安倍首相は米朝首脳会談を控えるトランプ米大統領と電話会談する考えを示した。「次は私自身が」と言っているが、トランプ氏頼りなのはずっと変わらない。

北朝鮮による拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(右から3人目)、横田早紀江さん(同4人目)らと面会する安倍晋三首相(同2人目)。右端は菅義偉官房長官=19日、首相官邸 ©時事通信社

 20日の衆院予算委員会では、「(トランプ氏と)北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題の解決に向けて、密接に方針を擦り合わせたい」と表明し、「交渉を行うトランプ氏を信頼している。しっかりとバックアップしていきたい」と述べた(時事ドットコムニュース 2月20日)。「バックアップ」の次は、本当に「私自身」が拉致問題解決に乗り出すのだろうか?

選挙に勝てばなにをしてもいいのか

安倍晋三 首相
「選挙に5回勝っている」
BLOGOS 2月19日

 安倍首相は積極的にヤジを飛ばす。18日の衆院予算委員会では、無所属の大串博志衆院議員から一連の統計不正問題について「(質問をしたことではなく)実質賃金ではない数値を挙げてしゃべる、だからこの人なにかおかしいことを言ってるんじゃないかなと(有権者は)思っている」と述べた際、安倍首相は席についたまま「選挙に5回勝っている」とヤジを飛ばした。

 これに対して大串氏は「選挙に勝っていればどんな統計をしてもいいということなんですか。そういう野次が出るところが総理の品格を問う」と指摘したが、本当にそう思っているんじゃないだろうか。