「荒川強啓デイ・キャッチ」で東映に電話してみた
理由として、
《1月31日に国会議員の麻雀議連限定試写を開いた際、東京五輪が中止となる映画の設定に“クレーム”が入ったといい、斎藤は公開中止の可能性を「あります」と渋い顔で肯定。マスコミ向けの試写は行わない方針で「設定自体がお叱りを受けています。試写をしてしまうといろんな指摘を受けて、(公開が)ゼロになる可能性もあるので、強行していきたいと」と内情を明かした。》
え、東京五輪が中止となる設定に国会議員からクレーム? 公開危機?
この記事がSNS上で拡散されると著名人を含む多くの人々が怒った。
たしかにギョッとする。しかしあまりにもわかりやすい構図すぎて半信半疑だったので、私はTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ」(2月13日)で配給元の東映に電話してみた。すると担当者曰く、
・国会議員からのクレームはない。
・斎藤工さんのリップサービスという部分もある。
ということだった。
イベントの壇上で聞かれた斎藤工はサービス精神で言ったのだろう。これをデイリーは見出しで派手に「お蔵入り危機」と書いたわけだ。あらためて記事を読むと「“クレーム”が入った」と表現し、行間がある表現をしている。
私がラジオ番組で確認した2日後、毎日新聞も記事にした。
「『映画公開に政治圧力』、実は炎上商法か 『麻雀放浪記2020』東映の宣伝戦略」(2月15日)
《「政治家の圧力か」「表現の自由の侵害だ」と議論を呼んでいる。しかし、取材を進めると、まったく違う事情が見えてきた。》
と書き、毎日新聞も政治家の圧力はなかったという結論。
日刊ゲンダイには、圧力をかけたとされた議員の「東映側から、とにかく映画を批判してくれとの依頼がありました。国会議員が批判すれば話題になると考えたのではないか」というコメントが載った(2月16日付)。
こうしてみると東映側の仕掛けだったことがわかる。たしかに炎上商法かもしれないが、国会議員に見せて感想を言わせるという発想はゲリラ戦法のようにも思えた。
そもそも試写会をおこなわないという理由も、「原作の『麻雀放浪記』と違いすぎてファンに怒られる可能性があるので……」と東映担当者が言っていたのを思い出した。個人的には脱力というかおかしみのほうが勝った。