「公開延期するのか?」と本気で判断を迫られる局面
そんな、なんとか話題になろうと懸命だった『麻雀放浪記2020』だったが今回一躍注目された。
ピエール瀧容疑者の出演作が軒並みお蔵入りされるなか、同作品は予定通り4月5日に公開する方向と報道され「英断だ!」と称賛されているのだ。何度も言うが、私はこの褒められ方にしみじみする。
だってそうでしょう。今まで「公開延期かもしれない!」と自分で煽ってきた映画が、瀧容疑者の件で「公開延期するのか?」と本気で判断を迫られる局面を迎えたのである。なんという展開!
その結果、公開を正式発表した(20日)。断固支持したい。しかし一方で「有料コンテンツとして判断は観客に委ねる」という東映側の”悲壮な決意”を目にするとニヤリとしてしまう自分もいる。
「東映、おヌシもワルよのう」と。
あれだけ仕掛けてきた『麻雀放浪記2020』である。瀧容疑者逮捕によって出演作品は自粛のオンパレードだが、公開することで今回の件をプラスに転じてやると張り切った可能性もある。そんな陣営がひとつぐらいあってもいい。おまけに「自粛に一石を投じた」と、今回の問題をすべて背負った英雄のようになってるのも感慨深い。『麻雀放浪記2020』、いろいろあったけどやったじゃないか。
瀧容疑者は同作で、戦争によって東京五輪が中止になった2020年の五輪組織委員会の元会長を演じているという。
あらすじをみてみよう。
《主人公・坊や哲がいるのは、2020年の“未来”。なぜ? 人口は減少し、労働はAI(人工知能)に取って代わられ、街には失業者と老人があふれている。そしてそこは、“東京オリンピック”が中止となった未来だった。嘘か? 真か!? 1945年の“戦後”からやってきたという坊や哲が見る驚愕の世界。》
思いつく時事ネタをぶっこんできた感。くだらなさも漂う。
これはやっぱり映画館で観たほうが……よい!?