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「都心だけでは、ものたりない人々へ」
これに加え、以下の威勢の良いポエムをご覧いただきたい。
どことなくデイヴィッド・ホックニー風のイラストも気になるこのポエム。90年代までは、いかにも川崎市といった趣の、特に注目されるような街ではなかった武蔵小杉だが、いまや住みたい街ランキングでも上位にランクインする人気っぷり。他の南武線沿線のマンションが「渋谷まで○○分」あるいは「横浜を庭にする」など、大都市へのアクセスの良さをウリにする中、このポエムはつまり、東京にも横浜にも頼らないぞ、と言っているのだ。
マンションポエムの2大要素、都市と自然を兼ね備え、東京にも横浜にもおもねらない。もしかして武蔵小杉は独立しようとしているのではないか。そういえば『ルポ 川崎』の著者である磯部涼さんはインタビューで、同書の営業を武蔵小杉の書店で行ったところ「うちは“川崎”じゃないんで」と言われた、というエピソードを語っていた(講談社・現代ビジネス「『ここは、地獄か?』川崎の不良社会と社会問題の中で生きる人々」 )。
元工場の敷地にたくさんのタワーマンションとモール、そして「自然」たる緑地をつくった武蔵小杉。だんだんこの街が宇宙コロニーに見えてくる。その住人たちはさしずめニュータイプだ。(初出「アットホーム」ウェブサイト)