文春オンライン

文春野球「コミッショナーだより」5月号

文春野球コラム ペナントレース2017

2017/06/06
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2位以下の追い上げが激しい混戦パ・リーグ

 さて、続いて5月の総評です。まずはパ・リーグから。

 首位は引き続きオリックスのDOMIさん。開幕以来全試合出場を続けています。しかし3・4月独走とは変わり、チームの軌跡を辿るように5月のHIT数はパ・リーグ5位と苦戦。慣れないコラム執筆の連戦に、やはり疲れがあるのでしょうか。しかし、まだ2位に1300HIT差があります。交流戦絶好調のチームに倣い再び立て直したいものです。

 パ・リーグ2位から4位は日によって順位が変わる混戦です。現在2位につけている梶原紀章さんは5月のHIT数TOPといよいよ本領を発揮。テーマに選んだ人たちも「諸積」「谷保」「塀内」「小池」「柴田」と脇役ながら、マリーンズファン以外の人をも魅了するまさに広報の鑑。DOMIさんと同じく多忙のなか、全試合出場を続けているのも頭が下がります。

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 3位は東北楽天のかみじょうたけしさん。5月のHIT数は梶原さんに続くパ・リーグ2位。京セラドームの「77円やきそば」、Rakuten.FM TOUHOKUのパーソナリティー河内一朗氏の「おにぎり話」など、こちらも脇ながら味のある人たちのコラムで票を伸ばしています。一週欠場した上での3位は脅威です。

 4位には北海道日本ハムのえのきどいちろうさん。チームがスタートダッシュに失敗した3・4月の論調とは変わり、コラムにも5月12日のロッテ戦1試合7本塁打、近藤健介の4割、浦野博司の復活勝利など明るい話題が増えました。なかでもゴールデンウィークの「野球メシ」で登場した森本稀哲「焼肉絵理花」は文字通りの鉄板。えのきどさんも4月にフィンランド、5月に台湾出張がありながらも全試合出場です。どの回も読ませます。

 5位には埼玉西武の中川充四郎さん。4月、5月に3本ずつと試合数が響いての順位となりましたが、アベレージはさすがです。特に86年の「1イニング6本塁打」のコラムは、知ってる人は懐かしく、知らない人は勉強になると共に、オチが実にピリリと効いています。

 6位福岡ソフトバンクの松中みなみさん。5月はなかなか登板機会がなく2試合のみとなりました。しかし文春野球初となる前後半に分かれての嘉弥真新也投手のコラムは、本人インタビュー、「画伯」と呼ばれる家族の似顔絵、さらには“ニィニィ”まで登場とフルコースのラインナップでした。5月終盤の交流戦に入ったタイミングで「ホークス謎のキャラクター出没! あの子はだぁれ?」(4月30日)の原稿が一時、文春オンラインランキングの3位に上がってきています。まだまだ勝負はこれからです。

全員が違う方向を向いている セ・リーグ

 続いてセ・リーグ。開幕以来、首位を独走するのは巨人のプロ野球死亡遊戯さん。5月から2ページになった仕様変更の影響などどこ吹く風。4本のコラムすべてが1300~1900HITと規格外の強さを見せて、初の合計2万HIT超え。交流戦での指名対戦も4試合が組まれています。パ・リーグ勢との戦いも楽しみです。

 セ・リーグは2位から4位が混戦です。2位には東京ヤクルトの長谷川晶一さんが死亡遊戯さんに続く1万HIT超え。5月26日に発売された自著『いつも、気づけば神宮に』(集英社)発売の影響からか、登板数は3試合と減ってしまいましたが、ついにベールを脱いだ「月刊伊藤智仁」が1500HIT超えを果たすなど、高いアベレージを誇ります。

 3位は横浜DeNAの西澤千央さん。5月の登板わずか2試合ながら高HIT率で上位をキープ。京浜工業地帯のスモッグが育んだ独特の筆致が世間を騒がせ、最近では自ら「怪文書メーカー」を名乗り出しました。6月1日には長谷川さんを抜いて一時2位浮上。長谷川さんがTwitterで「こんなコラム、オレには一生書けない(笑)。強烈なジェラシー……」と呟いていましたが、書く必要はまったくありません。

 4位に阪神・山田隆道さん。セ・リーグ唯一のフル出場を果たす鉄人が、一歩一歩HITを積み重ね、いよいよ上位勢を圏内に捕える位置まで上がってきました。選手コラムも然ることながら、“野球メシ”における「野球選手に対するオスとしての敗北感」も山田さんならではのアプローチ。交流戦でも5月絶好調の梶原ロッテに勝利し、今後も指名対決が多く組まれています。一気に上位を目指したいところです。

 5位は中日・竹内茂喜さん。4月は4試合に登板も、開幕からチーム同様なかなか浮上できずにいましたが、5月は2試合に絞って泥臭く、酒臭く戦う戦術を取りました。時には竹内母のオリジナル“どて丼”レシピをつけ、時に鈴木翔太を父親の目線で応援しながら、チーム同様、5位に浮上しました。ちなみに4月23日に「中日の運命を握る」と書いたゲレーロがここに来て大爆発。ナゴヤの父はこの後、どんなコラムを書くのでしょうか。

 6位に落ちてしまったのが広島の大井智保子さん。登板が1試合のみで終わり「DL入りか」の噂も立ちましたが、心配ございません。テーマの選定に苦しみ、なかなか打席に立つことができなかったようです。しかし、唯一の登板である“野球メシ”の「大野メシツアー横浜」は力作でした。今後は打席数をいかに増やせるかがカギになりそうです。

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