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6月の月間個人タイトル各賞の発表

 続いて6月の月間個人タイトルの発表です。

■6月期 ベストコラム賞

6月9日「吉川光夫に抱いた複雑な感情と、鳥谷敬に送った拍手と」
北海道日本ハム えのきどいちろう

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 交流戦で各球団力の入った名文が続出した6月期。ベストコラム選考は激論の末に、北海道日本ハムえのきどいちろうさんの「吉川光夫」となりました。おめでとうございます。

 5月24日の阪神巨人戦で鳥谷選手に頭部死球を与え危険球退場になってしまった巨人・吉川光夫投手に対する、古くから彼を見てきた日ハムファンの「吉川がぶつけたんなら僕にも責任がある」と思ってしまう感情。新天地の巨人で再起を懸けるも、相変わらず愚直に力みを取るためのルーティンを繰り返す吉川投手。そして、死球の翌日にフェースガードを付けて試合に出場する阪神鳥谷選手。三者三様、すべての登場人物の思いに胸を熱くする球団の枠を越えた素晴らしいコラムでした。

 ちなみにこのコラムは、交流戦優勝を果たした巨人・死亡遊戯さんとの「日本ハム⇔巨人 トレードされた選手を思う」をテーマにした指名対決で行われ、24時間での対決では981対1095の僅差で敗れました。しかし、その後、票を伸ばし7月1日現在1426対1414と逆転しています。死亡遊戯さんの「矢野謙次、大田泰示」の原稿も素晴らしく、屈指の名勝負となりました。

■6月期 ベストゲーム賞

6月7日 「東京ヤクルト283 × 145 福岡ソフトバンク」 
交流戦指名対決「とり」

 前出の巨人対日本ハムをはじめ、今回の交流戦は名勝負が続出しました。ほぼすべての対戦がベストゲームの候補に挙がったと言っていいほど議論は紛糾し、数日にわたる大激論の末、ふとした心の隙間に入り込んできたのが「とり」。気がつけば運営全員が「“とり”でいいか」と何かに魅入られたかのように口走っていました。

 交流戦指定対決、日程の都合上対戦ができていなかったヤクルト・長谷川さんがスケジュール上唯一対戦できたのがホークス・松中さん。対戦を申し込み、テーマを松中さんに委ねたところ、返ってきたテーマが「とり」。他の対戦を見ても共通の試合や監督や選手をテーマに上げてくるのに、松中さんが選んだのは「とり」。おそらく鷹と燕の「とり」。長谷川さんは面食らうも、これまでのノンフィクション的文体を崩し、手紙形式で松中さんに理路整然と「とり」の不条理さと、教科書的なホークスとスワローズの共通点を諭すように綴ります。

 一方の松中さんはCM撮影が入り、コラムを雨天中止にする奇跡を起こしましたが翌日に徹夜で仕上げ、手紙形式で応戦。ノムさんの馬券予想、内川選手へのインタビュー、最後にはつば九郎をパンチするフルコースで「とり」を書き切りました。交流戦、いろいろな名勝負がございましたが、両者の“らしさ”が出たという意味では屈指の勝負だったのではないでしょうか。そうですとも。

通算対戦成績

 交流戦指名対決を終えた通算対戦成績は以下の通りです。

【パ・リーグ 対戦成績】
埼玉西武    5勝4敗
東北楽天    4勝1敗
千葉ロッテ   3勝3敗
オリックス   3勝4敗
北海道日本ハム 1勝6敗
福岡ソフトバンク0勝5敗

【セ・リーグ 対戦成績】
巨人     6勝1敗
横浜DeNA  3勝0敗
阪神     3勝4敗
東京ヤクルト 2勝2敗
広島     2勝1敗
中日     1勝2敗  

■6月期 首位打者

 6月の月間HIT率(HIT数/PV)、セ・パ上位3傑は以下になります。

パ・リーグ
1位 .126 DOMI(オリックス)
2位 .112 かみじょうたけし(東北楽天)
3位 .089 えのきどいちろう(北海道日本ハム)

セ・リーグ
1位 .202 長谷川晶一(東京ヤクルト)
2位 .120 西澤千央(横浜DeNA)
3位 .086 大井智保子(広島)

6月期の首位打者は、
パ・リーグ DOMI(オリックス)
セ・リーグ 長谷川晶一(東京ヤクルト)

 となりました。おめでとうございます。

 尚、年間での首位打者争いは以下になります。

【通算HIT率三傑】6月30日現在
パ・リーグ
1位 .160 DOMI(オリックス)
2位 .119 かみじょうたけし(東北楽天)
3位 .108 えのきどいちろう(北海道日本ハム)

セ・リーグ
1位 .167 長谷川晶一(東京ヤクルト)
2位 .125 西澤千央(横浜DeNA)
3位 .100 大井智保子(広島)

文春野球 今後の予定

 プロ野球のペナントレースも間もなく前半戦が終了します。文春野球ではオールスター明けの後半戦にまた新たな試みを画策しております。詳細は追ってTwitterなどでご報告させていただきますのでお楽しみに。

 以上、文春コラムペナントレース6月期のコミッショナーだよりでした。
 引き続き文春野球をよろしくお願い致します。また来月、お会いしましょう。

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※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。