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【イースタン・DeNA】35歳会社員の私が、なぜ須田幸太を応援したくなるか

文春野球フレッシュオールスター2017

2017/07/13
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今更、大谷翔平にはなれない

 自分はいつまでもルーキーのつもりだったのだが、気づいたら30も半ばに近づいてきて、会社内でも立派な中堅。自分が新卒時は、ドラフト何位入社だったかは知る由もないのだが、自分が大谷翔平でも筒香嘉智でもないことなんかとっくに気づいている。自分より成績が上の同期、勢いのある後輩の下からの突き上げも感じるし、もちろん自分では手を抜いてるつもりはないんだけど、中々思うように結果が出ないことだってある。年齢が上になるにつれて、周囲からの期待や責任も増していく中、行き詰まりを感じながら帰りの電車に揺られることも増えてきたような気がする。自分の今の立ち位置をプロ野球選手に例えるならば、せいぜい一軍登録されるかどうかという位置付けだろう。今更、大谷翔平にはなれない。

 でも、おこがましい話だけど須田幸太ならちょっと頑張ればなれそうな気がするんだ。しかも、社内でちょっと揉めてる案件、まさに1点リードノーアウト満塁みたいな場面で出てきて、ちゃちゃっとまとめて片付けるなんてできたらカッコいいじゃない。

 筒香の豪快なホームラン、今永の気迫、濱口の勢い、山﨑のヤスアキジャンプには、感動するし勇気づけられもするんだけど、須田や加賀、石川みたいなスーパースターではない中堅が自分の役割、仕事に徹しようと奮闘する姿にエールを送ろうとすると、不思議と自分自身にエールを送っているような気持ちになることもある。

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 僕は須田幸太に憧れている。

 でも憧れて、少し自分に重ね合わせている選手が二軍にいるなんてそれはカッコ悪いじゃない。同僚や後輩が残したランナーを背負ってマウンドに上がり、際どいコースをボールと判定されても、不敵に笑みを浮かべ、ならばもう一球と勢いのあるストレートを投げ込む。そしてピンチを抑えれば、派手なガッツポーズをかましてベンチに戻っていく須田を見たいんだ。

 だから僕は須田の復活を待ち望んでいる。

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