奈良大会で声をかけてきたおっちゃん

 終わり良ければすべて良しという言葉があるが、ホントに全ての事柄がそうであると思う。もちろんお笑いにしても同じ事が言える。序盤、中盤がウケても最後のオチが弱いと全体が締まらないし、何か気持ちが悪い。しかし逆に言えばオチさえきっちり決まれば面白い話になる。

 先日、高校野球奈良大会の観戦中に隣に座っていたおっちゃんが僕に声をかけてきた。

おっちゃん「いつもテレビ観てまっせ!」

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僕「ありがとうございますっ」

おっちゃん「ホンマに地方大会から観に来まんねんなぁ?」

僕「やめられませんねっ」

おっちゃん「しかし汗でびちょびちょやん?」

僕「この暑さですもん」

おっちゃん「よっし、風呂いこか?」

僕「なんでやねんっ」

 気づいたら知らんおっちゃんと球場近くの「あすかの湯」てとこにおったわけやけど(風呂行くんかい!)、湯船につかりながら、実は息子が今日の第三試合に登場する野球部のOBで、息子のときは奈良県大会決勝まで行ったけど後一歩の所で甲子園を逃したんだという話をしてくれた。しかしそんな話を聞くと第三試合が気になってしょうがない。お風呂もそこそこに二人で球場に戻った。

 ここまでの展開、悪くはないが、やはり最後のオチが大事である。応援の末、勝利しておっちゃんと抱き合って喜んだ。はたまた負けてまた来年頑張って下さいと声をかけた。ではオチとは言えないし、明らかに尻すぼみである。実際には結構いいオチがついた。

 球場に到着、試合前のシートノック中だった。おっちゃんの隣に座っていた女性が突然大声を出した。

「うわっ、もうこんな時間やっ! ちょっと、あんた、保育園に孫迎えにいって!」

 どうやらおっちゃんの嫁さんのようだ。

おっちゃん「えっ、試合始まるし……」

嫁さん「あんた、かみじょうさんは風呂連れていくのに、孫は迎えにいかれへんのんか!!」

おっちゃん「あっ、いやぁ……」

嫁さん「どっちやねんな?」

おっちゃん「いきますわぁ……」

おっちゃん「ほな、かみじょうさんも保育園いこか?」

僕「なんでやねんっ」

 これ、最後の僕を保育園に誘うとこ以外は全部実話なんだけど、ホントによく出来た話だとおもう。

 長々とすみません。話を戻そう。終わり良ければという点は野球ももちろん最終回を抑えないと勝てないので同じ事が言える。7月21、22、23日のオリックス3連戦は3つともにクローザーの状態の差で勝たせてもらったようなものだ。さぁ我らの守護神松井裕樹投手について語ろうではないか!