今年は4年に1度の閏年で、例年より1日多くなる。ご存じのとおり、きょう2月29日がその日にあたる。
作家の赤川次郎は1948年のこの日に生まれており、エッセイなどでもたびたび言及している。あるエッセイでは《誕生日のプレゼントも四年に一回しかもらえないという、大変損な育ちです》と自虐めかした(※1)。また、ずばり「損な誕生日」と題した56歳のときのエッセイでは、《普通、二月二十九日に生まれても、役所に届ける時に、三月一日にしたり二月二十八日にしたり、どっちかにするんですね。うちの場合は、親が馬鹿正直に二月二十九日と届けてしまったものですから、戸籍も正式に二月二十九日となっています。ですから、五十六歳ですけれども、誕生日は十四回しか来ていない。ずいぶんひねた十四歳ですが……》と書いている(※1)。
「2月29日生まれも1年ごとに歳をとる」理由とは?
もちろん、誕生日は4年に1回しか来ないとはいえ、2月29日生まれの人もほかの人たちと同じく1年ごとに歳をとっている。それというのも、年齢は出生の日より起算すると定めた「年齢計算ニ関スル法律」で
しかし、赤川が書いているように、子供が2月29日に生まれても、役所には2月28日か3月1日として届ける親も少なくない。俳優の峰竜太も、1952年2月29日生まれだが、戸籍上は3月1日生まれとなっている。これについて本人は、《芸能界でも原田芳雄さんや飯島直子さんのように、そのままの誕生日にしている人もいるのですが、田舎ですし、いじめられたりするとかわいそうだと思ったんでしょう。届けを1日延ばすことにしたようです》と書いている(※2)。ただし、ここで名前のあがっている俳優の原田芳雄(1940~2011)も、戸籍上の誕生日は2月28日で、だいぶあとになって本当は2月2
原田は生前、閏年の誕生日が来るたびにライブを行ない、《バースデーライブをやれないなら死んだ方がマシだ》と話すほどだったという(※4)。没後もその意思を継いだ長男でギタリストの原田喧太と長女で俳優の原田麻由の呼びかけで、2012年、2016年と、生前に親交のあったミュージシャンや俳優が集まってライブが開催されてきた。“20回目の誕生日”にあたる今年も「原田芳雄 2.29 Birthday Live 風来去~ライブやるぞ、と芳雄は言った。仲間と祝う成人式~」と題して行なわれる予定だったが、新型コロナウイルス感染の拡大にともない、観客の安全を憂慮して延期となった。