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こんな時だから家で運動を……近藤健介選手もやっているピラティスのすすめ

文春野球コラム2020 開幕延期を考える

2020/03/28

 思うように外出もできず、体を動かしたいと思っている人も少なくないはず。そんなみなさんはもちろん、野球少年や高校球児にもお勧めしたいエクササイズがあります。それが、“ピラティス”。「ティラピス? ティラミス?」と言われることもしばしば……“Pilates ピラティス”です!

 ピラティスは理想的な姿勢や動作を学ぶもの。正しい体の位置を覚えることによって腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みの改善や運動パフォーマンス向上につながると言われています。体を整え、体幹だけでなく四肢の筋力強化、柔軟性の向上、筋持久力の向上が期待できるんです。呼吸を大切にして緩やかに動いていくので、お年寄りから若者まで幅広い世代に楽しんでもらえます。あの上皇后美智子さまも取り入れていると言われているほど。

 既にNFLやMLBの選手の多くはピラティスを導入しています。去年12月にドジャースタジアムを訪れた際にはウェイトルームに、エンゼルスタジアムでは選手のロッカールームにピラティスで使うリフォーマーという器具が置かれていました。案内してくれた広報に聞くと「みんなピラティスをやっているわよ」とのこと。アメリカでは当たり前のトレーニング方法となっているようです。

徳之島自主トレで実際に選手たちが行ったエクササイズ

 このシーズンオフには日本のプロ野球界でも多くの選手が自主トレーニングにピラティスを導入。中でも日本ハムの近藤健介選手は自主トレ先の鹿児島県・徳之島にピラティスインストラクター・田中宏明さんを帯同させて取り組んでいました。そこで、田中さんに直接、ピラティスがもたらす野球選手への効果や実際に近藤選手たちが行ったエクササイズについて伺いました。

「下半身と体幹の筋力差が大きく、これでは怪我をしやすい。伸び代がたっぷりだな……」。田中さんが初めて近藤選手の体を見たときの印象です。侍ジャパンに入るトップ選手であっても、体の使い方はまだまだ改善の余地があったそうです。近藤選手の場合は下半身の筋肉量が多く、その筋力をうまく使いこなせるだけの体幹が備わっていなかったとのこと。逆に下半身の筋肉が動きを邪魔しているような状態だったといいます。近藤選手は2017年に脊椎内視鏡手術(腰椎椎間板ヘルニア摘出術PED法)を受けています。「怪我が多く、怪我をしないために体の動かし方をアドバイスしてほしい」と田中さんのもとを訪れたのがきっかけで、2019シーズンはホームゲームの日は約1時間ピラティスをしてから球場入り。1年間、腰痛を感じさせるようなことはなかったと田中さんは言います。

近藤健介 ©時事通信社

 1時間の流れはこのようになっています。(以下、田中さんによる解説)

① 呼吸の介入

 野球選手は常に緊張した状態が続いている。それによって交感神経が昂ぶり、呼吸が荒くなっている。正しい呼吸を確認して、体をリラックスした状態にする。

② 体を緩める

 体を動きやすい状態にするため、田中さんによるボディケアやストレッチ要素のあるピラティスをする。

③ 体幹トレーニング

 毎回必ず行うのが≪ロールアップ/ロールダウン≫という動作。背骨を上から順番にまるめるように起き上がっていき、上まで起き上がったら次は、背骨の下から順番にまるめるように床に下がっていく。背骨にしなやかさを出し、腹部を引き締める(コアを使う)動きで、背筋が強すぎて背中がかたい傾向にある野球選手にはお勧めのエクササイズ。この他にも首・肩・肋骨のトレーニングや膝や下半身中心のトレーニングなど日によってメニューを組んでいるとのことです。