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「久しぶりの消息が死の知らせでした」ニューヨーク在住の叔母が犠牲に……親族が語る“進まない死後の手続き”

NYで親族を亡くした徳永克彦さんに聞く「医療崩壊の先」 #2

2020/05/08
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手続きがまったく前に進まない

 叔母夫婦の遺体は、事前のプライ・アレンジメント通りに進んでいるのか、安置場所について弁護士に確認できていないので、わかりません。

 いずれにせよ、手続きについてはソーシャルワーカー(※注)が逐一案内をしてくれるはずなんですが、これもまったく機能していません。もちろん、担当者は叔母の死に際の様子を細かく教えてくれたり、親族に寄り添おうという姿勢はあるものの、手続きがまったく前に進まないんです。

※注:アメリカの病院のシステムとして、患者が亡くなった場合、家族は病院と関係のあるソーシャルワーカーに連絡を取れば、死後の手続きについて諸々の助言を貰える(詳しくは前編を参照)。

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©AFLO

自分の気持ちを顧みる余裕はまだない

 まして日本とニューヨークは時差が13時間ありますから、連日徹夜で電話やメールの対応をしなければならず、これが辛いです。

 とにかく、いまは煩雑な手続きに振りまわされている最中ですので、3人の親族を一挙に亡くした自分の気持ちを顧みる余裕など、まだないというのが正直なところです。

「久しぶりの消息が死の知らせでした」ニューヨーク在住の叔母が犠牲に……親族が語る“進まない死後の手続き”

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