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輝きを取り戻すためにすべきこと

 6月17日の西武戦で本塁へヘッドスライディングを敢行し、その際に右ヒザを痛めた。これが問題。実はヘッドスライディング自体が落合元監督からずっと止められていたプレーだったからだ。大阪桐蔭時代から、けん制の帰塁で3、4回肩をケガし、その後は封印してきたのだが、あとの祭り。この時のスポーツ紙に「自分の野球小僧としての気持ちが出たプレーなので後悔はしていない」とコメントが掲載されていたが、ケガをしてはおしまいなわけである。

 プロはゲームに出てナンボの世界。出場しなければバッターボックスへ立つこともできないし、フィールドで守ることすら許されない。またそれよりも何よりも平田のプレーを楽しみに観に来たファンへの裏切りは大きい。予期できぬケガではなく予期できたケガならばなおさらである。無事是名馬とはよく言ったもので、これでは怪我是駄馬。グウの音も出ないよね、平田クン。

 現在、平田は主戦場であるナゴヤドームを離れ、痛めた右ヒザを回復すべく独りリハビリの日々を送っている。手術回避を決め、股関節の柔軟性を高めて膝への負担を減らすことで完治を目指すらしい。

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 予想すらもしなかった夏休み。

 高校時代の輝きを今一度思い出し、威風堂々の佇まい、面構えを蘇らせる為にも、ここはしっかり時間をかけ、心技体全てにおいてパワーアップを図ってもらいたい。チームそしてファンに迷惑をかけたその何倍、いや何十倍をバットと肩と脚で返してもらうためにも。チームの成績がふるわない時、インスタにBBQパーティーの画像を投稿するなど、ファンの怒りを買う行為は慎めるよう、心理学を学ぶのもよし、ダルビッシュのようにケガをしたのがこれ幸いと体幹を鍛え抜き、野球選手として最高の身体を作り上げるのもよし。

 平田良介こそがプロ野球ナンバーワンの選手になるんだというポジティブ思考を四六時中頭に思い描いて欲しい。福田? オレが和製大砲だ! ビシエド? いつでもアメリカに帰っても大丈夫だ! 藤井? しっかりライトのポジションを掃除して待っていろ! ぐらいの強い気持ち、意志を抱いてリハビリに励んでもらいたい。そして来季開幕戦で四打席連続本塁打を放つぐらいの活躍を約束してもらいたい。

 そうでなければ許さない! こんなに長期休暇を取りやがって。ふざけんじゃねぇーぞ! それだけドラゴンズファンは皆、平田良介、お前に今でも期待しているんだよ。その想い、願いを一日でも忘れて欲しくない。約束!

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