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“鉄のエリート”ツートップが「開成学園鉄道研究部」を語ってくれた!

開成鉄研の文化祭ブースに初潜入!

2017/10/02

genre : ライフ, 社会, 教育

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「模型部とは仲良くしていて、技術の交流をしています」

 続いては、展示の目玉でもある巨大なジオラマ。山やら川やらが表現されたジオラマの中を、たくさんの列車が走っている。運転しているのは来場者(ほとんどが子どもたち)だ。

「普段の活動はこのジオラマ作りがほとんどです。毎年少しずつリニューアルしています。おかげで模型部とは仲良くしていて、技術の交流をしています」(阿部くん)

「ウチにも“模型鉄”がいて、既製品の車両をもっとリアルにするために手を入れたり、かなりこだわっていたりするんです。だからこれも車両のほとんどは部員の私物。こういう時に持ってきてくれるんですよ」(白倉くん)

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 と言っても、鉄道博物館などに置いてあるような規模のものではなくて、走っている途中で列車が脱線してしまったり細部の手直しをしていたりと、手作り感も満載。このあたりはいかにも高校生……とちょっと安心してしまった。

猫島にサイクリング 合宿はオタ旅ではなく、テツ分薄め

 で、続いては春休みと夏休みに行っているという“合宿”の様子を説明したパネル展示。今年は春に四国、夏には東北の“鉄道旅”を楽しんだという。鉄研の合宿だけに、さぞかしマニアックに楽しんだことでしょう……。

「いや、まあ、簡単に言っちゃうとただの旅行ですね(笑)。普段の活動には全然顔を出さないくせに、合宿のときだけ来るような部員も結構いるんです」(阿部くん)

 そう言われてよくよく見てみれば、四国では猫島に行ってみたり四万十川をサイクリングしてみたり、東北では野球観戦をしてみたりと、“テツ分”薄めの要素もちらほら。

 

「おおまかな目的地は決まっていて、その間の行程案を部員に考えてもらうんです。で、宿泊地は全員同じですが、そこまでの移動はだいたい5班くらいに分かれます。この機会に乗りつぶしをする人もいれば、撮り鉄に勤しむ人もいる。で、あとは観光を楽しむ(笑)。基本的にどこに行っても何をやっても、移動に鉄道さえ使えばOKなのが、ウチの合宿なんです」(阿部くん)

 とまあ、ずいぶんとおおらかな開成鉄研部。普通、鉄研と言えば生粋のガチの鉄オタが集まり、究極の鉄道旅を追求するものだと思いがちだが、この辺の懐の深さが開成の鉄研“らしさ”なのだろう。

ジオラマのメンテナンスをする白倉くん

時刻表、JTB派とJR派で分かれる

 ちなみに、鉄道旅の行程を考えるのに不可欠な時刻表についてもお二人は一家言あるようで……。

「僕はJTB派です。中学の図書館にはJTBの時刻表が置いてあるんで、中学校舎までわざわざ読みに行きます」(阿部くん)

「僕はJR派。高校の図書館にはJR時刻表が置いてあるんですよ。部員には“時刻表鉄”もいて、ダイヤ改正のたびに路線の掲載ページが変わったとか大きさが変わったとかいろいろ言ってます。そういう変化も鉄道の面白さのひとつですね!」(白倉くん)