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「ふきげんでいない」「じぶんをすきでいる」…小学校入学前後に身に付けたい「世の中を生き抜く方法」

『おやくそくえほん』(高濱正伸 監修/林ユミ 絵)――ベストセラー解剖

2021/03/04
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「よのなかルールブック」 おやくそくえほん』(高濱正伸 監修/林 ユミ 絵)日本図書センター

 小学校入学前後に身に付けたい習慣を「おやくそく」として紹介する絵本がヒット中。監修は「メシが食える大人に育てる」が理念の学習塾「花まる学習会」代表・高濱正伸氏だ。

「本書は小学校高学年以上に向けた『よのなかルールブック』(2019年)の幼年編です。前書では、一般的な社会規範では立ち行かないこともある厳しい社会に出て行く子どもたちに、世の中を生き抜くための方法を伝えています。一方、そもそも生きていくうえで大切な『土台』を伝えることも必要だと思い、制作したのが本書です」(担当編集者の高野愛実さん)

「しずかにこうどうする」といったマナーから、「ともだちをおうえんする」などの思いやり、「ふきげんでいない」、「じぶんをすきでいる」など、心のあり様まで取り上げている。

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「生活習慣だけでなく、心の中のことまで伝えたいと思いました。押し付けがましくなく、自分も相手もそうしたほうが気持ちいいという理由がしっかり伝わるように工夫しています」(高野さん)

 口コミやSNSを通じてじわじわと受け入れられ、幼稚園の卒園記念品にも選ばれているそうだ。

「子育てに正解はなく、一生懸命になるほど悩んでしまうことがあると思います。『どんなことをどう伝えればいい?』という疑問へのひとつの指針になればうれしいです」(高野さん)

2020年2月発売。初版2万部。現在4刷8万部

おやくそくえほん: はじめての「よのなかルールブック」

正伸, 高濱 ,ユミ, 林

日本図書センター

2020年2月21日 発売

「ふきげんでいない」「じぶんをすきでいる」…小学校入学前後に身に付けたい「世の中を生き抜く方法」

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