大手芸能事務所アミューズは3月16日、俳優の佐藤健(31)と神木隆之介(27)、そしてロックバンド「ONE OK ROCK」が3月いっぱいで独立することを発表した。
佐藤と神木は新会社「株式会社Co-LaVo」を設立し、アミューズも出資する。新会社の社長には、2人の育ての親である千葉伸大常務がつく予定だ。会長には、アミューズの大里洋吉会長(74)が兼任で名前を連ねる。
「ONE OK ROCK」も新事務所「株式会社10969」を設立し、ボーカルのTaka(32)を中心に海外での活動に力を入れていくという。
アミューズにとってより影響が大きいのは、次期エース候補である佐藤、神木の離脱だろう。事務所は2人の独立について「新時代に向かってチャレンジをする本人たちの意向を尊重した」とコメントを発表し、資本関係もあるため一見すると穏やかな“のれん分け”にも見えるが、その裏には巨大芸能プロダクションが権力闘争や世代交代で身動きが取れない実情が隠れていた。
ナベプロを抜けてアミューズを作った会長
もともとアミューズは、大里会長が芸能界きっての老舗である渡辺プロから1977年に独立して作った芸能事務所である。大里氏は立教大を卒業して1969年に渡辺プロに入社し、キャンディーズのマネジャーを務めるなど出世コースに乗っていたが、社内で徐々に孤立し、渡辺プロの資本を受け入れない形で完全な独立を計った。
「大里さんはナベプロの影響力を排除するために、マネジメントするアーティストの音楽出版権の一部を業界の大物に売却してまで独立資金を確保しました。苦しい船出だったはずですが、そこはナベプロ時代から敏腕で知られた大里さん、独立後も次々とビッグアーティストを発掘して、アミューズをあっという間に軌道に乗せました」(スポーツ紙芸能デスク)
独立のきっかけとなった原田真二(62)に始まり、独立翌年の1978年6月にはサザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でデビュー。その後も爆風スランプ、ポルノグラフィティ、エレファントカシマシ、Perfume、flumpool、BABYMETALと現在までトップアーティストを世に送り出しつづけてきた。