「すべて上部に納めています。駆動装置などを上部に収納することによって、サイネージ部分を自由に動かすことができるんですね。また、トビラは3本のレールに沿って動くので引違い扉のように重ねて収納できます。20mが1ユニットでそこに5つのサイネージ部分があるのですが、そこに重ねるようにガラス面を収納することで開口部を自由に作る、というイメージです」(妹尾さん)
【動画アリ】「動きのパターンはいくらでもありますよ」
……まあ、そう説明されてもいまひとつピンとこない。というわけで実際に動くところを見せてもらった。すると、サイネージ部分が左右に動き、その裏側にガラス面がぴしっと収まってゆく。これまでのホームドアのイメージでは固定部に向かってトビラが開くだけなのだが、その固定部にトビラを収納しながら動くのだからなんとも奇妙でおもしろい。
「動きのパターンはいくらでもありますよ」と田中さんと妹尾さんが言う通り、両端にサイネージをまとめて置いて開口部を大きく取るパターンもあれば、数カ所に分かれてトビラを開けるパターンもある。ほとんどの場所ではトビラを開けず、20mのユニットで1カ所や2カ所だけ開口部を設けることもできるようだ。これならば、どんな車両が来ても対応することができそうである。
ただ、それでもどうしてもサイネージ部分は開口できずに残ることになる。20mの1ユニットはサイネージの両脇に小さいトビラがあるタイプが両端にあり、左右に大きなトビラがあるタイプが中央に3つ並ぶ構造。駅設置時にはこの20mのユニットがいくつも並ぶことになるという。
「5セットで1ユニットを構成するというのがバランス上ベストかなと思っています。細かく刻めば刻むほど開閉のパターンを増やすことができるのですが、当然コストもかかる。一方で少なくするとパターンが少なくなって柔軟性がなくなるんですよね。1両に10のトビラがあるような車両があるなら別ですが、現状の車両を考えるとほぼすべて対応できるので、5セット1ユニットで充分だと判断しています」(妹尾さん)
色んな車両をどうやって認識するのか?
次いで気になるのは、このホームドアは実際にどのように運用されるのか。次々にやってくるタイプの異なる車両。それをどう認識して扉位置に合わせた開閉をするのだろうか。