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紳助、清張、船越 それぞれの「真面目」

「週刊文春」11月2日秋の特大号 最新レビュー

2017/10/28

船越英一郎、珠玉の清張評

 真面目といえば、松本清張だ。今週の文春には大々的な清張特集が組まれている。なかでも、「男と女――地獄のサスペンス」と題する、船越英一郎とみうらじゅんの対談が出色の面白さである。そもそも船越英一郎にこのタイトルを当てるとは、ふるっているではないか。

船越英一郎 ©深野未季/文藝春秋

 ふたりは、清張作品のキーワードを「真面目」と見定める。真面目ゆえに思い詰め、真面目ゆえに殺してしまう。ここでみうらじゅんは、「不真面目」とはどうかしていると自覚している状態であるのに対し、「真面目」とは自分で自分を笑えない状態だと言う。

 それをうけて船越は、「いくら社会から逸脱した生き方を選んでみても、あるいはその生き方を無頼という言葉でなぞらえたりしたところで、本当に追い詰められると、みうらさんがおっしゃるような生真面目さがどうしても出てきます」と続ける。珠玉の清張評にして、真剣にカメラに向かい、SNSを駆使して動画を一生懸命にバズらせた松居一代さんの姿を重ねてしまいもする。

自分で自分を笑える老後

 紳助はいま、真面目に、みうらじゅんの定義では不真面目に老後と向きあう。老後に必要なものは「お金と仲間と筋肉」と言い、おかげでいまではムキムキだ。また「『生きがい』なんか求めず、体を鍛えて老いに抗いながら」、これからも楽しく生きていくと語る。タレント業の傍ら、不動産投資や飲食店経営など手広く商売を手がけていた紳助のことだから、そのうち、健康本で大儲けするやもしれない。

松本清張 ©土倉一夫/文藝春秋