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開会式が粛々と行われる中、響き渡るオリンピック反対の声
開会式が粛々と行われる中、スタジアムの周りを歩いていると、規制線が張られていたスタジアム周辺でまさかのオリンピック反対の抗議活動が行われていた。
「誰が責任とるんだ!」「オリンピック止めろ!」と音頭に合わせて拡声器から抗議の声を上げる。その周りを過剰なほどの数の警官たちが取り囲んでいた。
その声はスタジアムの中にも聞こえていたと関係者から後で聞いた。
ゲバ文字を書いたヘルメットを被り、腕を組んで人間バリケードを作る活動家たちの背景にオリンピックスタジアムが見える。
まさか日本が誇る大作アニメ「AKIRA」のような光景を目にするとは思ってもいなかった。
抗議活動を終え活動家が撤収したあとも、警察は歩行者が溜まらないように歩道の通行に規制をかけていたが、事前通告もなかったものだから近隣住民が通ろうとするたびに苦情を受けていた。現場に駆り出される警官たちも大変だったろう。
たいした議論もされないままなし崩し的に始まった東京オリンピック。アスリートたちには素晴らしい活躍をしてほしいのだが、開催直前の辞任と解任劇、そして組織委員会を始め、IOC、政府の無責任な対応は、やはりオリンピック後も検証しなければならないだろう。
写真=八尋伸