コロナ禍の中で、なんとか行われた東京五輪の開会式。直前の担当者の辞任ドミノの影響もあってか、いつもの五輪よりは簡素な式のように感じられた。一方で、式典の後には各地で意外な“盛り上がり”が佳境を迎えていた。
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五輪開会式でも変わらぬ歌舞伎町の“マイペース”
深夜2時。開会式が幕を閉じてから約2時間後の新宿・歌舞伎町の夜は、普段の週末と何もかわらずこの日もカオスだった。ゴジラビル周辺の広場や路上では若者たちが地べたに座り込んでいた。ナンパやキャッチ、路上飲みもいたるところでおこなわれている。今が緊急事態宣言中ということなど、当に忘れているようだった。
「開会式なんてみないスよ。興味ないし…その時間仕事なんで」
そう語るのは20代のホスト男性だ。
また、20代の女性会社員もこんな風に嘯く。
「オリンピックのバスケの試合が当たっていたんだけど、無観客になって興味をなくしました。今日は歌舞伎町で夜のオリンピック」
“世紀の祭典”だったはずの五輪について、ストレートな意見をくれたのは20代の男性会社員だ。
「サッカーは好きだから観たんすけど、開会式は“パッとしない”からいいかなーって…ちょっとだけ観て友達と合流しました」