「すべてアイツがやったこと」――。平成24年、2人の女性を死に追いやった40歳の男は、逮捕後、元同僚に罪をなすりつけた。監禁、強制労働、そして計画的な殺害と遺棄。支配の果てに待っていたのは、法廷での責任の押し付けあいだった。

 下された懲役は? そして2人のその後とは……? なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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第2の被害者

「バカな奴だ。こんな状態で眠ったら、首が絞まって死んでしまうことは分かっていただろう。お前も知っていたんだから、共犯みたいなものだ。遺体を処分するから手伝え」

 これが福井が奴隷化する決定的な出来事となった。昼間は遺体を解体し、夜は山や川やダムなどに捨てに行った。

「このことを知っているのはオレとお前しかいない。もし他人に漏らしたら、お前も命がないと思え!」

 2人は麻衣さんが死んだ後も麻衣さんになりすまして常連客にメールを送り、「奨学金の支払いが足りない」「家族の入院費用が要る」などと言って、計474万円を騙し取っていた。福井は浅岡に命じられて金を引き出す係をしていた。

 麻衣さんが死んで新しい「彼女」が欲しくなった浅岡は、またキャバクラに通うようになり、新たに知り合ったのが第2の被害者となる森田弥生さん(当時27)だった。