たったこれだけのことで弥生さんを殺すことにしたのだ。福井は当然のように犯行に加担させられ、2人は入念に犯行計画を練り、死体遺棄現場の湖を何度も下見。橋の上から遺体を入れた冷凍庫を投げ落とすことに決め、福井にヤフオクで冷凍庫を購入させた。

 あとは弥生さんをどう誘い出すかだけだったが、弥生さんが客の誕生日にプレゼントを渡す“習性”を逆手に取り、浅岡は誕生日直前に店に行き、店の外で会う約束を取り付けた。

「計画通りに遺体を捨てるぞ」

 事件当日、浅岡と福井は車で待ち合わせ場所のコンビニに向かった。福井は後部座席に隠れていた。仕事が終わった弥生さんは何ら疑うことなくやってきた。

ADVERTISEMENT

「夜景を見に行こう」

 その後、殺害現場となる神社の駐車場へ移動。外で立ち話した後、浅岡が弥生さんを車内に誘い込み、馬乗りになって首を絞めた。しばらくすると福井を呼んだ。

「疲れたからちょっと代われ。お前もやれ!」

 福井は浅岡に呼ばれて前の座席に行き、浅岡に代わって首を絞めた。浅岡はその間、「頑張れ、頑張れ」と声援を送っていた。

「よし、計画通りに遺体を捨てるぞ」

 浅岡は弥生さんの遺体を自宅に運び、全裸にして冷凍庫に入れた。偽装工作のために弥生さんの髪をバッサリと切った。福井の運転で高速道路を走り、現場の湖まで行き、橋の上から冷凍庫を投げ捨てた。弥生さんの車はナビを破壊し、車体番号を削り、まったく無関係な場所に放置した。

写真はイメージ ©getty

 まもなくその車だけが見つかり、弥生さんの事件は「ナンバー1キャバクラ嬢の謎の失踪事件」として報じられることになった。弥生さんは2カ月後に客の男性と結婚することになっていたので、最初はその男性が疑惑の最前線に立たされることになった。そのことも浅岡と福井は計算済みだった。

「もしオレたちの足がつくとしたら、ETCを使っているお前から先に捕まるだろう。でも心配するな。オレは警察にも顔が利くし、有能な弁護士を雇ってすぐに出してやる。だから、オレが関わったことは絶対に口にするな」