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「勝ち組の典型にみえた」小田急線無差別刺傷 加害者が20代女子大生を執拗に刺したワケと犯行直前の“ある事件”

「勝ち組の典型にみえた」小田急線無差別刺傷 加害者が20代女子大生を執拗に刺したワケと犯行直前の“ある事件”

genre : ニュース, 社会

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 同日12時10分、対馬容疑者は新宿の商業施設の食料品店にいたという。前出の捜査関係者が語る。

事件直前に対馬容疑者が万引きしたモノ

「対馬容疑者は食料品店を物色し、880円相当のベーコンとオリーブを万引きしようとした。しかし女性店員に注意され、110番通報もされた。警察に厳重に注意されたが、商品を買い取ることでお咎めなしとなった。このときの警察による所持品検査で、ビール3本と缶チューハイ、そして刃渡り6.4cmのカッターナイフを所持していたことが判明しています。

 ビールと缶チューハイに関しては新宿駅近くのコンビニで万引きしたものだったようです。カッターナイフについて本人に用途を聞いたところ『護身用のため』と供述。その場で逮捕はされませんでしたが、警察官が対馬容疑者を18時21分に自宅へ送り届けています。また、銃刀法違反で任意の取り調べをする旨を伝えられています」

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対馬容疑者が訪れた新宿の食料品店 Ⓒ文藝春秋 撮影・細尾直人

 ここで対馬容疑者の怒りの矛先となったのが、新宿の食料品店で万引きする自分を注意した女性店員だ。対馬容疑者は自宅へ送り届けられた後、すぐに再び新宿へと向かっている。

「取り調べに対しては『店員を殺してやりたいと思い店に戻ろうとした』と供述しています。しかし店が閉まっていたため、引き返して駅へと向かいました」(同前)

 しかし対馬容疑者が自宅へ帰宅することはなかった。最寄り駅に着く前に、冒頭のように牛刀を取り出し乗客を切りつけたのだ。捜査関係者が語る。

対馬容疑者の自宅アパート。部屋のガラスが割れている ©文藝春秋

取り調べで「(重症の女子学生が)勝ち組の典型にみえた」

「対馬容疑者は『(新宿の食料品店が)閉まっていたから電車で人を殺そうと思った。電車は逃げ場がなく、大量に殺せると思った』などと供述しているようだ。

 特に重傷を負ったのは、対馬容疑者が入ってきた入り口の対面に座っていた20代の女子学生だ。対馬容疑者はまず女子学生の正面、右腹部を刺し、逃げようとした彼女を追いかけて後ろからも刺した。女子学生には背中と胸と上腕部の7カ所に刺し傷が確認されている。対馬容疑者は『男にチヤホヤされてそうな女性を殺してやりたい』『(重傷の女子学生が)勝ち組の典型にみえた』などとも供述している」

 犯行に使用した牛刀については数年前に「自殺をしようとしてネットで購入した」とも語っているという。警視庁は犯行動機について詳しく調べている。

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