2016年7月以降、入院していた48人の患者が亡くなった横浜市神奈川区の旧大口病院。そのうち3人の殺人罪に問われている、元看護士の久保木愛弓(あゆみ)被告(34)の論告求刑公判が10月22日に横浜地裁で開かれ、検察が死刑を求刑した。
久保木被告は最終陳述で「死んで償いたいと思っています」と謝罪を口にしている。被告による犯行を詳報した記事を再公開する。
(肩書き、年齢等は当時のまま)
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横浜市神奈川区の旧大口病院4階の終末期病棟。ここで2016年7月以降、約3ヶ月の間に入院していた48人もの患者が相次いで亡くなる異常事態が発生していた。捜査線上に浮かんだのが、当時同院で看護師として働いていた久保木愛弓被告(34)だ。
捜査が難航し、久保木被告逮捕までには実に1年9ヶ月以上かかった。その間に接触したマスコミ各社に対して、久保木被告は「疑われることに苛立つ」「犯人を許せない」などと主張。しかし逮捕後、点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入させて殺害したことを認め、逮捕、起訴された。