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 でも、やっぱりAKB時代に全国をいろいろ回らせてもらって感じましたけど、熱海は“観光の街”なんです。そこが復活しなければ、熱海が復活したことにはならないんだろうな…と思います。

観光客数はガラガラ…現在の熱海の様子は…?

――現状の熱海の観光客数はどうですか?

島田 みての通り、ガラガラです。コロナ前は夏の熱海のサンビーチは、歩けないほどの人が来てくれていましたし、どこの店も賑わっていました。そんな状況に加えて、今回の災害もあったことで、今回は花火大会も中止。たとえライフラインが復活しても、災害にあったところだと遊びづらいと、静岡県内でも熱海を避けて、伊豆などに行き先を変更されるお客様も多いです。

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©文藝春秋/上田康太郎

 

決して「風化させてはいけない」災害

――世間はオリンピック一色です。島田さんもご覧になりましたか?

島田 オリンピックはテニスだけ見ていました。テニスは私自身が経験者で大好きだったし、雑誌で連載などもやらせてもらっていたので。ただ、やっぱり逆にテレビを見ていて感じたのは、「オリンピックに話題を取られちゃったな」ということです。どんどん熱海のニュースが取り上げられなくなってきて。いわゆる「忘れられた出来事」になってしまうんじゃないか…というのが、すごく私の中で怖くて。多くの人が亡くなっていますし、決して風化させてはいけない災害だと思います。

©文藝春秋/上田康太郎

 実は、クラウドファンディングの立ち上げは「もう少し早く」と思っていたのですが、丁度オリンピックの開会式のタイミングと被ってしまって。それだとニュースでも取り上げられない気がして、災害から1ヶ月の時期に変更しました。タイミングと言うと変ですけど、何かしら波を立てることが出来るんだったら、そっちのほうが多くの方の目に触れられるかなと思ったので。

◆◆◆

 島田の呼びかけを指原莉乃や横山由依、永尾まりや、山内鈴蘭など、現役AKBメンバーやOGがリツイートし、クラウドファンディングが立ち上がったことは次々と拡散された。その結果、目標金額として定めていた100万円は立ち上げの翌日に早々に突破した。集まった寄付金は、手数料を除いた全てが熱海市に寄付されるという。

©文藝春秋/上田康太郎

 

「協力してくれたメンバーや、ファンのかたには本当に感謝しています。ですが、支援はまだまだ必要なんです」

 熱海のために奮闘する島田は、アイドル時代以上に輝いてみえた。

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