──ゆかさんがイライラするといえば、マンガで「ひろゆきさんは物を捨てるのが大嫌いで、もらった景品を私の机に置いていく」というエピソードがありましたね。

 

西村 そうなんです。彼は特定のものにこだわるわけではなく、「いつか使うかもしれない」という理由でとっておくんですね。

 たとえば、旅行で泊まったホテルのアメニティを持ち帰ったりするじゃないですか。それが多少ならわかるんですけど、彼はものすごい数をとっておくんです。一時期は、ホテルの歯ブラシが家に50本ぐらいありました。

ADVERTISEMENT

──「これ、本当に全部使うの?」と思っちゃいますね。

西村 どんどんたまるので、家に歯ブラシの保管袋が3~4個でき始めて。

 私が「こんなに使わないでしょ?」と言ったら、「じゃあ、君がゴミ出ししていいよ」と返してくるんですよ。使えるものを使わずに捨てるのはもったいないから、自分で捨てるのはイヤみたいで。

配信の発言と違う…「捨てられない症候群」を暴露

──もしや、「捨てられない症候群」?

西村 そういうところはありますね。あと、忘れっぽいので、とっておいたこと自体を忘れちゃうんです。

 しまった場所も忘れちゃうから、家の中で保管場所が3カ所くらいに分かれて……リスが大事なものを分散して土に埋めておくような習性はあります。

──リスですか(笑)。

©文藝春秋

西村 私たちは今フランスで暮らしていますが、この前日本に帰国したときも奇妙なことがありました。

 コロナ対策の隔離でホテルにいる間、彼はサラダに付いているミニドレッシングをとっておいて、10袋ぐらいたまったんですよ。でも、家では普段ドレッシングは使わないし、そもそも「カロリー高いし、おいら、ドレッシングは好きじゃない」と言うんですね。

──「じゃあなんでとっておくの?」と聞きたくなりますね。

西村 そう聞いたら、「言われてみればそうだね。じゃあ捨てていいよ」と。

 でも彼は、自分の配信では「ムダなものをため込んで心を満たそうとするのは、アホだと思います」とか話してるんです。私からすると、「家に不用品をため込んでるのはおまえだ!」と言いたくなります(笑)。

──ミニマリストにはなれないタイプですね。

西村 なれないと思います。今はなんでも私の机に置くので、私が「もう捨てるよ」言うと、「ひどい! そうやってすぐポイポイ捨てるとか言って、かわいそう!」と抗議してきます。

©文藝春秋

──誰が持ってきたんだよ、という話ですよね。

西村 そうそう。すごく理不尽ですね。そういうところは私にとって全然かわいくないんですけど、マンガを読む方たちは「かわいい」と言ってます(笑)。

だんな様はひろゆき (ソノラマ+コミックス)

西村 ゆか ,wako

朝日新聞出版

2021年10月20日 発売