新型コロナ対策の持続化給付金2億円を騙し取ったとして、東京国税局の職員・塚本晃平(24)、不動産会社社員の佐藤凜果(22)ら9人の容疑者が逮捕された事件。その“黒幕”とされているのが、6月13日、詐欺の疑いで逮捕された松江大樹容疑者(31)だ。
「警視庁は詐取した2億円のうち、約1億7000万円が松江に渡ったとみて行方を追っていました。今年2月上旬、仲間が次々と逮捕されたことを知った松江は、いち早くドバイに逃亡していたのです」(社会部記者)
この松江容疑者は仮想通貨関連のマルチビジネス「マイニングエクスプレス(ME)」の大幹部でもあり、詐欺グループはこの会社を中心に組織されていた。メンバーたちは大学生などを対象に、「MEに投資すれば個人事業主となり、詐欺にはならない」と勧誘し、約200人に給付金を不正に受給させていたとみられる。松江容疑者がいかにして若者たちを勧誘していたのか、その一端がうかがえる音声を入手した。
松江容疑者がMEのビジネスを始めたのは今から3年前のこと。
「マイニングとは暗号資産の取引を記録する作業への報酬として暗号資産を得る仕組みで、MEはウクライナに工場拠点を置くことで低コストの採掘作業が実現できると喧伝。高利回りの配当に加え、投資者を勧誘すれば報酬を得られるという典型的なマルチ商法の手法で勢力を拡大していた」(捜査関係者)
ME内で「ブラックダイヤモンド」というタイトルを保持していた松江容疑者は、報酬6000万円に加え、リーダーシップボーナスとして月収600万円を得ていたという。
昨年11月27日、都内某所で開かれたMEのセミナーで、松江容疑者がMEの魅力について熱弁をふるい、若者たちを勧誘していた(音声は「週刊文春 電子版」で公開)。そこには下記のような発言が記録されている。