アカデミズム、霞ヶ関で男性相手に戦ってきた
学大附OGはパイオニア、陽の当たる場所でのプレーヤーがよく似合う。
東京大で女性初の法学部教授となった寺尾美子(1972年卒)。専門は英米法だが、行政に対してしっかりものを言う。
「日本の地方自治体というのは、不甲斐なくてやってきたわけで、今度の地方分権で分権を喜んだ自治体というのは、すごく元気のある、やる気のある自治体なんですね。ところがやる気のない自治体は、今までは住民から文句を言われると、『上からそう言われているから仕方ありません』と言えていたことが言えなくなるので、かえって困ると言う声があったくらいです。やはり、そういったところから変えていかないと、日本の民主主義というか、日本の政治というのはよくならないと思います」(2001年11月18日、国立市の「シンポジウム2001 明日の景観・環境・まちづくり」での講演)。
横尾和子(1960年卒)は、女性で2人目の最高裁判所判事となった。
横尾は国際基督教大から厚生省に入省し、最後は社会保険庁長官をつとめた。退官後はアイルランド大使に就任する。いずれも女性初だった。アカデミズム、霞ヶ関で男性相手に戦ってきた。最高裁判事となったとき、こう抱負を述べている。
「これまでの仕事では、声にならないところもしっかりと聞き取ることが求められた。その経験を生かして、ほかの裁判官なら聞き落としそうな声にも耳を傾けることができれば」(朝日新聞2001年12月20日)
神童少女の進路は、SKE48からプロボクサーまで
芸能界でライバルと戦っているアイドルがいる。
SKE48の惣田紗莉渚(2011年卒)、「アリス十番」の桜雪(2011年卒)。惣田はAKB48のオーディション、宝塚音楽学校受験に挑んだが、夢を果たすことができなかった苦労人である。青山学院大に進学。
桜は在学中から「地下アイドル」として活動を続け、1年浪人を経て東京大に進んだ。東京大に合格したときブログでこう記している。
「合格してました!! 自分の番号を見たときは、時間が止まったようでした。(略)雪は容姿も頭脳も元々優れているわけではないから、これからも努力を自分の武器にしていきます。掴んだ夢を離さないよう、これからも勉強、芸能活動ともに頑張って行くので、これからも、こんな桜雪を応援して下さい!」(2012年3月10日)
文字通り、肉弾戦の戦いを繰り広げる学大附OGがいる。
プロボクサーの花形冴美(2003年卒。本名、田中冴美)。 現在は東洋太平洋女子ミニフライ級チャンピオンである。花形は自身をこう語る。
「小さいころからスポーツが好きで、小学生時代を過ごしたバーレーンでサッカーを始め、中学では現ジェフユナイテッド市原・千葉レディースに所属してサッカーに打ち込む。東京学芸大学附属高校でハンドボールを始め、大学進学後も続けていたが、北里大学在学中にボクシングと出会い花形ジムに入門」(オフィシャルサイトより)
2008年3月にプロテスト合格。同年8月にプロデビューした10年選手だ。
学大附のパワフルな神童少女に日本をよくしてほしい、日本を楽しくしてほしいと切に願う。
(敬称略)