A氏自身が自ら辞めたと語った
収支報告書を見せながら尋ねると、
「前はそうだったけど、いまは辞めた。もう97歳よ、ワシ」
はっきりと認めたA氏。
「障がい者の手帳持ってね、耳聞こえんから。97歳にもなってみなさい。社会とのつながりは切れてしまうね」
――竹原後援会の収支報告書では、まだ代表になっているが?
「今はもう、全く違う体制だから」
――収支報告に関わっていない?
「うん、もう。後援会の中で名前が出るような立場じゃないから、今はね。これは30年前の記録じゃないか」
そして、こう語るのだった。
「今はね、あそこの後援会の事務所に出入りすることは一つもない、私は」
代表者とされるA氏自身が自ら辞めたと語っており、「A氏が代表者」とする寺田氏の国会答弁は事実と異なることになる。
寺田総務相は「自身は一切関与しておらず、別団体である」と主張してきた「寺田稔竹原後援会」。同会を巡っては、領収書が「寺田稔」宛てだったことも「週刊文春」の取材で判明しているが、寺田氏は「政治資金規正法上はまったく問題ない」と説明。ただ、97歳の代表自身が「既に代表を辞めた」と語り、会計責任者は故人だった「寺田稔竹原後援会」は、誰が取り仕切ってきたのか、今後、説明を求められることになりそうだ。
11月1日(火)12時配信の「週刊文春 電子版」および11月2日(水)発売の「週刊文春」では、寺田氏の別の政治資金規正法違反疑惑などについても詳報している。
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