世の中ではさまざまな呼吸法が話題に上がり、正しい呼吸で得られる効果を理解している人は多いかもしれない。しかし、はたしてどのくらいの人が呼吸法を実践できているだろうか。

 現代のストレスフルな生活環境のなかで、いつの間にか呼吸が浅くなり、それが身体の不調につながっていることに気づいていない可能性もある。

 そこで、呼吸に関する4つのコンテンツにより、呼吸を整え、美しい心身へと導く、沖縄の離島・久米島のツアー「呼吸旅~久米島アイラン道~」をご紹介。

 琉球古武道の世界、琉球王朝歴史ロマン、朝ヨガ、久米島キュイジーヌを満喫し、呼吸がもたらすメリットを教授しよう。

多くの健康効果をもたらす琉球古武道

 沖縄で発祥し、愛好家たちにより継承され続ける琉球古武道。型の修練や呼吸法の実践により、心身が鍛えられたり体調が改善されたりとうれしい効果をもたらしてくれる。

 中世には実戦で使われており、その戦乱の舞台のひとつだった久米島では、現在も琉球古武道が継承されている。

 呼吸旅では、実際に琉球古武道を体験することでその世界を体感できる。久米島の絶景を眺めながら行えるのも大きなポイントだ。それでは、琉球古武道について詳しく紹介していこう。

久米島の美しい自然の中で琉球古武道を体験

 琉球古武道は、沖縄に古くから伝わる伝統武術。棒やヌンチャク、トンファーなどの、8種の武器を用いる武器術である。

 武術というと、格闘技のような戦闘シーンを想像するかもしれないが、実際は型の修練を中心に、礼節や道徳などを習得するもの。琉球古武道を行うことで体幹や精神力が鍛えられ、礼儀やマナーを身につけられる。

平氏の教えを受け継いだ師範から直接学ぶことができる

 また、呼吸法も重要となる。呼吸のタイミングなどを意識することで、結果的にストレスの軽減や集中力の増加といったメンタル面や、血行促進や疲労回復、脂肪燃焼効果などの身体面の効果をもたらしてくれる。

振り廻す、突く、払うなど、攻撃と防御のバリエーション豊富なトンファー。世界各国の警察組織でも採用されている実用的な武器だ
相手の攻撃から防衛するために使うヌンチャク

 沖縄で生まれた琉球古武道だが、現在も沖縄の離島・久米島ではこの伝統が継承されている。久米島は琉球古武道の大家の一人として知られる武道家・平信賢の出生の地であり、平氏が生前、琉球古武道の普及を行った場所である。

 現在、久米島には平氏の教えを受け継いだ教士・吉本景正氏が道場を開き、門下生や観光客に直接稽古を行っている。

 呼吸旅では吉本景正氏から直接学ぶことができるので、きっと平信賢氏の精神にもふれられるはずだ。

吉本道場の教士・吉本景正氏
島内には平信賢の顕彰碑とお墓がある