5月1日、アイスダンスの村元哉中と高橋大輔が引退を発表、翌日、記者会見を開いた。会見は動画サイトでも配信されたが、その中で高橋が理由を説明している。

「(村元に)引退を伝えたのは2月の四大陸選手権後。僕自身の右膝が限界を感じたということです」

4月16日、世界国別対抗戦のエキシビションの演技。現役最後の大会となった/写真提供 時事通信

高橋の右膝が悪化 練習を断念する日も珍しくなかった

 会見を取材していたスポーツ紙の記者が解説する。

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「高橋選手は2008年に、右膝前十字靭帯部分断裂と半月板の損傷という競技人生が危ぶまれる大怪我を負いました。その後手術とリハビリを経て復活し、10年のバンクーバー五輪で銅メダルを獲得。14年のソチ五輪ではより好成績を目指していましたが、大会前の13年11月に今度は右すねに重傷を負い、それでも五輪代表選考がかかった同年末の全日本選手権に強行出場。代表には選ばれましたが、ソチでは本来の滑りができず6位。翌月の世界選手権は欠場、その半年後に一度目の現役引退を発表しています。18年現役復帰、20年アイスダンス転向を経て右膝は再び悪化し、今回二度目の引退を決意しました。状態はかなり悪かったようで、リンクに上がっても動けず練習を断念する日も珍しくなかったそうです」