親の入院時に必要なことを知る
私の経験上、親が入院したときのために、以下の準備が必要です。
• 健康保険証、お薬手帳、かかりつけ医の診察券、マイナンバーカードなどをまとめておき、持ち出せるようにしておく。
• 病院に入院したときのため「緊急連絡先」「保証人」(住民票が異なる親族が2人)を決めておく。
• 主治医から治療方針、経過、退院の目安などの説明を受ける人を決めておく。
• 入院が決まったらすぐに「入院保証金」を支払うケースがあるので、お金はどうするのか、入院費の支払いについて親から聞いておく。
• 民間の医療保険に入っていないか(入院給付金や一時金の手続きはどうやって行うのか)事前にチェックする。
急に入院するとき、「健康保険証」と「お薬手帳」を持参していないと、応急処置がスムーズにいかなくなることがあり得ます。実際に、心臓病や高血圧、糖尿病の持病がある高齢女性が、皮膚科の診察を受けようと、予約してから病院に行ったとき、「お薬手帳」を忘れたために、診察できなかったと聞いたことがあります。
普段から親とコミュニケーションをとっていないと、“もしも”のときに受診できない、あるいは子どもたちがお金を立て替えることになりかねないので注意しましょう。
「入院」をきっかけに、今後の生活、将来的にどんな介護を受けたいのか、終末期はどうしたいのか、といった話を聞きながら、お金のことを切り出すと、うまくいくかもしれません。
入院費などの支払いは親に代わって子どもが行うことを想定して、メインバンクのキャッシュカードの暗証番号を聞いておきたいですね。このほかにも、事前に確認しておかないと後で大変な事態に陥るお金の話は、次のようなことが考えられます。
メインバンク以外に口座開設していないか
金融機関が破綻した場合に、預金保険機構が元本1000万円までとその利息の払い戻しを保証する仕組みを「ペイオフ」と言います。元本が1000万円超あり、また万が一のときに資産が減ると思い、それに対応するため、いくつもの銀行口座を開設している人がいます。
休眠預金等活用法に基づき、2009年1月1日以降の取引から10年以上、取引のない預金等(休眠預金等)は、民間公益活動に活用されます。1万円以上の預金があると、金融機関から通知が来ますが、対応はその金融機関によって異なります。子どもが親に代わって口座の解約はもとより、出入金をするのは「委任状」「身分証明書」等が必要になりますので、親が元気なうちに、銀行口座は、メインバンク以外は解約しておいてもらいましょう。「やり方がわからない」というのであれば、解約に必要なものは何か金融機関に事前に聞いておき、親と同行することも考えましょう。