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子どもにも言えない経済的な悩みはあるか

 実家に帰省しても、親がどんな経済状況なのかはまったく知らないという人がほとんどではないでしょうか。

 母と同居していたある女性の話で、母親の入院中に、自宅に「督促状」が届き、開封したらキャッシングの返済期限が来ていたことがわかり、女性がかなりの金額を立て替えたという例もあります。

 女性は朝、仕事に出かけてしまうと、普段母がどんな生活をしているのか把握できず、同居していても「キャッシングしていたことはわからなかった」と言っていました。年に数回しか会わない親子であれば、親の経済状態はさらにわからないことでしょう。

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写真はイメージです ©iStock.com

年金収入で生活できるか“さりげなく”聞く

 昨今は、水道光熱費、食料品、生活必需品など、生活に不可欠なあらゆるモノの値段が上がり続けています。親の1カ月の生活費を知りたいと思ったら、いきなり「1カ月の生活費はいくら?」などと切り出さないで、身近な話題を振ってみることをお勧めします。

 例えば、

「先月の電気代が急に上がっているけれど、うちは大丈夫?」

 大丈夫? と心配してみるのがポイントです。

「全然平気」という親はほとんどいないはずです。大半は「もう大変」と言うでしょうから、そこで1カ月の生活費が年金収入の範囲内で収まっているのか、確認をしましょう。

 家計が赤字で、貯蓄から取り崩していたら、入院や介護などの“もしも”のときに、お金が足りなくなって、子どもが立て替える、ということにもなりかねません。また、月々の支出がオーバーした分を仕送りする必要も出てくるかもしれません。そうなったとき、ひとりで全部背負わないで、きょうだいと話し合って負担を分担するようにしましょう。今は便利なキャッシュレス決済があり、その機能を使って送金・入金が簡単にできます。どんどん活用しましょう。

スーパーやコンビニの総菜ですませていないか注意

 また、普段の買い物はどうしているのか聞いてみる方法もあります。

 高齢になって自炊が億劫になってくると、出来合いのおかずに頼るようになります。便利でおいしいかもしれませんが、日常的に利用する場合は、食費が高くつくので家計的にはおすすめできません。また、味付けが濃いめなので高血圧症や糖尿病などの持病がある人は悪化させてしまう可能性もあります。

 高齢になって食事の支度や後片付け、家のなかの掃除やゴミ出しなど、身の回りのことが不自由になったらどう支援したらいいのか、同時に考えておく必要があります。(#2に続く)