運転免許センターで大捕り物
「13日の夕方だったでしょうか。関係者しか入れない駐車場に、埼玉県警の警察車両が2台ほどやってきたんです。車から降りてきた3、4人の警察官が建物の中に入っていきました。また、入り口の両端には警察官が1名ずつ待機していました」
物々しい雰囲気に驚く男性の目の前で、世にもまれな逮捕劇の幕が開いた。
「その後しばらくしてとちぎナンバーの警察車両もすべりこんできました。すると栃木県警の防刃ベストを着た警察官が4、5人、免許センターから出てきた男を建物の入り口あたりで取り囲み、何かを喋っているようでした。話がついたのか、男をとちぎナンバーの車に乗せて走り去っていきました」(同前)
この男こそ、免許更新にやってきて逮捕された富田匠容疑者だったのだ。
「容疑者は暴れたり騒いだりすることもなかったです。あれだけ警察官に囲まれていたら“四面楚歌”の状態で逃げることもできないでしょうけど。当初は偽造免許証とかそんな事件かと思っていましたが、ニュースで栃木県の窃盗事件だと知りびっくりしました。でもまさか指名手配犯が免許更新にやってくるなんてねえ……」(同前)
「そのうち取消だけど一応更新w」
そもそも指名手配とはなにか。逮捕状が出ているものの、被疑者の逃亡によって行方が分からない場合、全国の警察に被疑者の逮捕と、逮捕後の身柄引き渡しを要請する制度のことを指す。
指名手配犯の動向には、文字通り全国の警察が目を光らせる。まさか己がそんな状態に置かれているとは知りもしなかったのだろうか、法の定めに従って運転免許の更新にやってきた富田容疑者は、あえなくお縄を打たれてしまった。
過去には自身の免許証の写真とともにInstagramに次のような投稿をしていた。
〈そのうち取消だけど一応更新w〉
〈#もうすぐ#免取り#共同危険行為#で2年取消〉