城崎温泉があることでも知られる、日本海に面した兵庫県豊岡市。

 日中の暑さも落ち着き始めた9月16日21時半ごろ、生徒たちが去った後の閑散とした個別指導塾の教室に慌ただしい様子で足を踏み入れたのは、塾の運営会社の取締役ら担当者2名。到着するなり、「これはなんだ?」とスマホの画面を、塾の教室長の男に見せた。

 そこには中学3年生の女子生徒の下半身に、ライトを点けたスマホを向けるという、教育者としては決してあってはならない、教室長のウラの顔を示す動かぬ証拠が収められていた。絶句して固まった室長に、「こういう瞬間に嘘を考えないでくれる?」と担当者が畳みかけると、室長は観念したように犯行を認め、詳細を語り始めたという――。

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机の下から女子生徒の下半身にカメラを向ける吉岡容疑者

中学3年生の女子生徒5人の下半身を覗き見

 この塾内での“取り調べ”から1時間後、豊岡警察署の署員が現場の塾に到着、現場検証を終えた後、教室長の吉岡大輔容疑者は逮捕された。この塾で講師として勤務した後、数年前に教室の室長に昇格したベテランだ。

 長髪に眼鏡とマジメっぽさはないが、ある保護者によれば、「とにかく頭が良くて、進路相談も的確。『俺がこの学校に合格させてやる!』と娘に熱い言葉をかけるなど、この人に従えばワンランク上の学校に合格できるかもと期待した」など、風貌とは裏腹に指導の評判は悪くなかったという。

 一方、裏の顔は生徒やこうした保護者らの期待を裏切るものだった。16日の吉岡容疑者の自供によれば、授業中に教えるそぶりを見せながら、こっそりとスマホを机の下に忍ばせ、時には大胆にライトを点灯。本人が自供しただけでも中学3年生の女子生徒5人の下半身を覗き見たという。