「ずっと女子生徒の方ばかりを見て話していた」
本人は覗き見はしたが「盗撮はしていない」と供述したという。確かに動画を突きつけた塾の担当者らがスマホとパソコンを確認した際、盗撮動画は見つからなかったようだが、“犯行”の瞬間を捉えた動画をみると、録画ボタンを押し、撮影した後にすぐに席を立って確認に行くような素ぶりも窺えたことから、保護者らも「供述は到底信用できない」と口々に不安を訴えている。
中学受験塾大手「四谷大塚」の元講師、森崇翔容疑者(24)が、教え子の女子児童の下着を盗撮する事件が発覚するなど、塾講師による未成年への性犯罪がクローズアップされるなかでの今回の逮捕。事件は小学生から高校生まで生徒数50人弱、科目ごとに個別指導を行い、地元公立トップ校を狙う人気塾「ビーパル個別指導学院」で起こった。
予兆は今年初めから既にあったという。保護者女性が語る。
「塾の評判はよく、娘が通う中学校の子がたくさんいて、『友達がいるから』と選ぶ保護者が多かったです。ただ、実は今年2月頃には『吉岡が盗撮している』という噂は、子供たちの間では既に広まっていました。
今回の事件が発覚するまで保護者たちの情報共有も限られていましたが、入塾を決める前から噂を聞いていた親もいたようです。ただ普通、『まさか』と思うじゃないですか? ウチの娘も入塾してからすぐに『吉岡って気持ち悪くない?』って一緒にいる友達と話していて、同じようなことを数か月は言い続けていました。
でも思春期の中学生ということもあるし、年齢も離れている。だから吉岡が生徒と仲良くなるためコミュニケーションをとろうとしたことに対して、『気持ち悪い』って話しているんじゃないかと勝手に思い込み、『また言ってるわ』と正直気にも留めていなかったんです」
別の女性は、保護者からみた吉岡容疑者の人柄をこう振り返る。
「吉岡は親も教師で、自分ももともと学校の教師だったと生徒たちに話していたようです。ヒカキンに似た風貌で、確かに頭の回転は速いんですが、喋り方に抑揚がなくて人間味が感じられないというか……。電話でも『吉岡です』と出るんですけど、セリフっぽくて『留守電かな?』っていう感じ。止まって『え? もしもし?』というと、『もしもし?』と返ってきて驚き、まるでAIと話しているみたいでした」
吉岡容疑者は、2~3カ月に1度は保護者も交え、成績を見ながら進路指導もしていたといい、勉強の苦手なポイントを生徒ごとに把握。どうしたら成績があがるか指導も的確だったため、「信頼していた」と保護者らは口をそろえる。ただ、「面談中もずっと女子生徒の方ばかりを見て話していた」「塾に行くのが楽しくないと娘が話していた」など、引っかかる点は確かにあったのだという。
“まとも”を気取っていた吉岡容疑者が‟犯行“に及ぶ瞬間を偶然見たという生徒らから一気に噂が広まり始めたのは逮捕前の9月初旬。噂の真偽を確かめるべく複数の女子生徒らがスマホを足元に忍ばせ、動画を撮影すると、そこにはとんでもない行いが映っていた。別の保護者が語る。