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「風呂に張り付いた抜け毛で人の絵を描いてみたら…」美術家・杉浦由梨(34)が明かす、奇妙すぎる暮らしぶり〈洗顔ものまねで大バズり〉

洗顔ものまね・ゆりさんインタビュー#2

note

元カノが股間のおばけになって登場するマンガで東村アキコ賞

――これまで描いたマンガはどんなものでしょうか。

ゆり 最初に賞をいただいたのは、「僕の変な彼女」という作品で、「第37回MANGA OPEN」で東村アキコ賞と編集部賞を受賞しました。

――東村さんは作品についてX(旧Twitter)で「私が過去に読んだ読み切りの中でもベスト10に入る傑作」と投稿していました。主人公・大介のもとに、交通事故で亡くなった元カノ・ゆりが、成仏しきれずに股間のおばけになって登場するというものですが、元カノ・ゆりさんはご自身がモデルに?

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ゆり 私は病的にナルシストなので、自分のことを物語に描くことがよくあります。

 当時お付き合いしていた方とお別れして何年もたった後にあれを描いたんです。何年もの間ずっと考えていたことをやっと形にしたのがあのマンガですね。

――SNSでは泣けるマンガとして話題になっていました。

ゆり 自分にとってプライベートな感覚と思っていたことを物語にできて、 たくさんの方に読んでもらえました。「面白い」と言ってもらえたり、共感していただけたことがすごく嬉しかったです。

写真=平松市聖/文藝春秋

行き詰まったらランニング

――作品を作っている時は楽しいのでしょうか。

ゆり いや苦しいですね。でも作品が出来上がった時の興奮がすごいので、その感覚を味わいたくて描き続けています。

――ストレス解消法はありますか。

ゆり 毎朝ウォーキングと夜にランニングをしています。ランニングは主に作品を描いている途中に行き詰まったら行っています。エネルギーだけは有り余っているので5キロくらい無心で走って。で、帰ったらまた、描き始める。