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つらいことを引きずらないためにはどうしたらいいか…ミシェル・オバマがいつも思い出す「父の言葉」

source : 提携メディア

genre : ライフ, ライフスタイル, 国際

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そういう物語が、自分と他人についてのわたしたちの考えを無意識のうちに形づくっている。だれが劣っていてだれがすぐれているのか、だれが強くてだれが弱いのかを教えこもうとする。

そこには選ばれたヒーローがいて、確立された常識がある。

“重要なのはこういう人だ”
“成功とはこういうものだ”
“医者とは、科学者とは、母親とは、上院議員とは、犯罪者とはこういう人で、勝利とはこういうものだ”

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物語は自分のなかにある

州会議事堂に南部連合旗がはためく場所で育った人も、奴隷所有者のブロンズ像が立つ公園で遊んだ人も、ほとんど白人を中心としてつくられた正典(カノン)を通じて国の歴史を教わった人も、こういう物語が自分のなかにある。最近、メロン財団が資金を提供して、アメリカ各地の記念碑の調査がおこなわれた。調査結果によると、その大多数が白人男性の名誉を讃えたものだった。半数が奴隷所有者で、四〇パーセントが裕福な家庭に生まれた人物。黒人と先住民は、こんなふうに記念された人物のわずか一〇パーセントにすぎなかった。女性はたったの六パーセント。人魚の像のほうが女性国会議員の像より多く、その割合は一一対一だった。

ミシェル・オバマ 法律家
2009年から2017年までアメリカ合衆国ファーストレディを務める。プリンストン大学とハーバード大学ロースクールで学んだのち、シカゴの法律事務所シドリー・オースティンで弁護士としてキャリアを歩みはじめ、そこで将来の夫となるバラク・オバマと出会った。その後、シカゴ市長のオフィス、シカゴ大学、シカゴ大学病院で働く。若者が公共部門でのキャリアに備えられるよう手助けする団体(パブリック・アライズ)のシカゴ支部を立ち上げた。著書に、世界的ナンバーワン・ベストセラー『マイ・ストーリー』(集英社)。
つらいことを引きずらないためにはどうしたらいいか…ミシェル・オバマがいつも思い出す「父の言葉」

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